彼の夢の中の彼女

夢を見ている。
彼は自分でそれを分かっていたが、彼の目の前には、20年も昔の学生の頃、思いを寄せていた彼女がいた。
夢の中で彼が作り出した彼女は、現実に彼の心臓の鼓動を早めていた。
何か話をしている。彼女は、にこりと彼に微笑む。
昔は、デートを何回かしたけれど、それ以上の関係にはならなかった。
彼の恋心は、彼女の何か違う方向を見ている笑顔によって、それ以上進まなかった。
でも今、夢の中では彼女と彼の望む関係になっているようだった。
目が覚めると、夢の内容は、そんな曖昧な記憶しか残らなかったが、真っ暗な部屋の布団の中で、心臓だけはドクドクト音を立てていた。
彼が寝返りを打って、枕元の時計の緑色のスモールランプを付けると、2時過ぎだった。
彼は再び布団の中に潜り込み、誰にも知られない夢を求めて目を閉じた。

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