黒い鳥

街の中心の、背の一番高い杉の木に留まった黒い鳥は大きな嘴を開き、
「夜が明けるぞ!」
と赤い舌を振るわせながら鳴いた。
すると何処からともなく、蝙蝠(コウモリ)の大群が飛来し空を埋め尽くした。
黒い鳥は依然として鳴き続けた。
蝙蝠は黒い鳥の頭上を中心にして、渦を巻くようにぐるぐると旋回し出した。
やがてその中心に一層暗い穴が開き始めた。
その穴は周りの光をぐんぐん吸い込み、夜の光全てを吸い込もうとしているかのようだった。
黒い鳥の頭の毛が逆立ち始めた。
東の山の端が薄っすらと白ぎ始めた。
空中の真っ黒なその穴はその光さえも吸い込む勢いで、街中の光を吸い込み続けた。
「夜が明けるぞ!」
黒い鳥はけたたましく鳴き続けた。
やがてその真っ黒な穴は空中から徐々に速度を増し、竜巻が地上に降りるように黒い鳥の頭上へ降りてきた。
穴と黒い鳥が接した瞬間、黒い鳥はその穴の中へ飛び立った。
黒い竜巻は一瞬で上昇し上空に戻ると、渦を巻いて飛んでいた蝙蝠は一瞬で回転を止め四方へ飛び去った。
その刹那、東の山の端からは日の光が輝き、今まで闇に浮かんでいた樫の木を一光の下に浮かび上がらせた。
黒い鳥が留まっていた枝には早くも雀が舞い降りようとしていた。

にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

【ギフトに最適!】ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)イヤープレート 1966“クリスマス時期の黒い鳥”
管理人運営ページ等、こちらもよろしく。
家族のお店
VB Tips And Sample
家庭菜園の記録 i love balard編
などなど