デンタルロボット

「虫歯の治療が自分でできる!」
と、某ポータルサイトのNEWSに新着記事があった。
ちょうど歯医者に行かなきゃいけない歯の具合だったし、何より1万円と言うのが魅力だった。
何週間も休日が歯の治療で潰れるよりも、自分の空いた時間に自分で治療できるというのが最大の魅力だ。
早速注文、そして土曜日のお昼に宅急便が届けてくれた。
お昼を食べた後、歯を磨きパソコンの前で封を開けた。
説明書を読むと、取り扱いは簡単だった。
まず、口の中で勝手に治療してくれるデンタルロボットのコードをパソコンのUSBに接続。
すると、ロボットはUSB電源で起動し、パソコンの画面にロボットに備え付けられたカメラで写される私が映しだされていた。
次にそいつを口の中に入れる。
すると、実際の私の歯達が映し出され、
「どれを治療しますか?」
と音声と画面で聴いてきた。
私は画面の中で具合の悪い歯をクリックした。
「この歯でよろしいですか?」
「Yes」をクリックした。
すると、パソコンの画面に
「診断中です・・・・・しばらくお待ちください。」
と出て、口の中のロボットは、その歯の周りを執拗に動き回り状況を調べているらしい。
「治療を開始します。
が、その前に、治療途中口をゆすぐ必要がありますのでコップ一杯の水と洗面器をご用意ください。
用意ができましたら、治療開始のボタンを押してください。」
と出た。
私は一旦デンタルロボットをティッシュの上に取り出し、それらを洗面所から取ってきた。
さて、万事整った。デンタルロボットを再び口に入れ「治療開始」のボタンを押した。
「治療を開始します。気分が悪くなったりした場合は中止してください。」
と告げられた。
デンタルロボットは虫歯を削りだした。小さいボディながら、なかなか上手に削っている。
それに痛みがほとんど無い。
画面の右上に表示されているヘルプで調べてみると、液体麻酔を使っているので痛みがないとのことだった。
削るのは、もうそろそろいいんじゃないか?と思ったら
ロボットは削るのをぴたりと止めた。
「一旦口をゆすいでください。」
と言われた。
私は言われたとおりして、再び「開始」ボタンを押した。
次にロボットはセンサーで削った歯の形を読み取り、かぶせ物を造型する旨を知らせてきた。
と思ったら直ぐに
「終了しました。一旦口からロボットを取り出し、キットの中にあるカバー作成アダプタにデンタルロボットを装着してください。」
といわれた。言われたとおり、ちょうどパソコンのマウスぐらいの大きさのそのアダプターにデンタルロボットをはめると
「かぶせ物作成開始」
ボタンが画面に表示された。
迷わずクリック。すると結構大きな音で金属を削っているような音がしばらく続いた。
画面にはその金属が削られている様子が映し出されていたが、綺麗に削りだされていく金属の歯、は芸術品のような存在感があった。
出来上がると
「そのかぶせ物を掴んだままのデンタルロボットをアダプタから外し、再度口の中に入れてください。
治療はあと5分です。」
と表示された。
言われたとおり、口に放り込み「治療続行」ボタンを再度押した。
デンタルロボットは出来上がったかぶせ物を歯にはめ、微調整か、ちょっと削っては
「噛んでみてください。」
と聴いてきた。それを3回ほどした後、
「治療が終了しました。噛み具合はいかがですか?」
聴いてきた。私は何の問題も無いので
「OK」
をクリックした。
正味、1時間ほどで終了したことになる。これはすばらしいと、私は素直に感動した。
私は、洗面器などを片付けて、再び居間のTVを付けた。
すると、今私が使ったデンタルロボットに関するNEWSをしていた。
何でも、使う手順を間違ったり、治療しなくていい歯をクリックしたりと操作を間違えるケースが頻発しているらしい。
中でも、治療中にパソコンがウィルスに感染した人は、デンタルロボットが暴走し、全ての歯を抜いてしまったという事だった。
評論家達はこぞってデンタルロボットの開発会社と、
「そんなものを使う方が間違っている。自業自得である。」
等と批判していた。
私は気になって、洗面台に行き、治療した歯を良く見てみたが、何も問題はなさそうだった。
噛み締めてみてもばっちり直っている。
運が良かっただけなのかも知れない・・・・・と思いつつも、再度説明書を読み返したら、利用規約の最後に
「※このデンタルロボットをご利用になるお客様は、このデンタルロボットを使ってお客様がこうむるいかなる不利益・損害にも当社は一切の責任を負はないものであることに、完全に合意するものとします。」
と書かれていた。
ナルホド。


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