一口香(いっこっこう)由来 番外編

私は浦上天主堂を見た後、ガラス工芸 南蛮船とうい店を目指した。
中里橋を渡って、ちょっと曲がった道、サントス通りを行けば3百メートル足らずか?
暑い4月の日差しがくっきりと私の影を道路に映していた。
しばらく行くと聖具屋があり、日頃近くで見たこと無い神父さんの衣装などを見る。
と、右手に学校らしきものがあり、手に持った地図を良く見ると、どうやら間違ってアンジェラス通りに入ってしまったらしい。
地図を見ると、中里橋まで戻るよりも、対角線、長崎南山高・中の前を西へ横切った方が近いようだった。
問題は、どれだけ坂があるか、住宅街に入って迷わないか?であった。
少々喉も渇いてきた。相変わらず雲ひとつ無い好天だ。
三時前なので、何処かでお茶でも飲みたくなってきた。
目指す、南蛮船あたり、もしくは大橋駅付近、もしくは戻って長崎駅で水をと思い、
アンジェラス通りから路地に入った。
フェンス越しに学校の校庭らしきものが見え、長崎南山高かと思ったが、どうやら上野公園らしい。
と、すれば上野町のこの辺が現在地と言うわけか。
このまま歩いて、如己堂前でサントス通りに入ればなんとかいけそうだった。
一本左への道をやり過ごし、二本目を下ってみる。
綺麗な通りで、看板にもサントス通りと書いてある。
このまま真っ直ぐ行けばと、しばらく歩いていると、元祖の文字を掲げた菓子屋があった。
これも、何かの縁と暖簾をくぐってみる。
どうやら一口香のお店で「榎純正堂」らしい。
歩き観光なので、重たい饅頭をたくさん持つわけに行かず、一個だけでも今食べてみたいのだがと相談すると、一個ずつは売っていないらしい。
逡巡していると、店主が箱入りのものを開けようとしてくれるが、五個入りの袋を我が手に持つと意外に軽い。
これならばと思い、五個入りを購入。
ここで一つ食べても?と聞くと快く、お茶も提供してくれた。
「これは?!珍しい。」
饅頭と思って食べると中が空洞で、その空洞の内側に甘い蜜がある。
「ありがとうございます。こちらは出来立てになりますので、食べてみてください。風味が違うと思います。」
私は、香ばしいゴマの香をかぎながら、また一口ほおばった。
味は、京都の松風を連想させ、品のある甘さだ。
一口香の由来によれば、
~略~
今から百六十年程前、長崎港に向かっていた唐の船が濃霧のため
誤って茂木に上陸してしまいました。
当時、雑貨商だった弊堂初祖一右ェ門がみやげとして頂いた唐饅の製法を会得し、
工夫改良を加えて出来たものが一口香です。
~略~
とある。
なにやら、時のいたずらに遭ったような不思議な気持ちがした。
参考文献
榎純正堂の「一口香の由来」
を参考に、話を膨らませてみたものです。
一口香のように膨らんでいれば・・・・
小説仕立てのものも書いてみましたが、著作権で事前の許可が必要かと思い
エッセー風に書き換え。
榎純正堂さんの「一口香」は楽天になかったので
有限会社茂木一まる香本家を紹介。

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