小さい水槽の中に金魚が三匹。
子供が、夏祭りでジジババに買ってもらった三匹は、11月になっても元気に餌を食べている。
自分が子供だった頃、同じようにお祭りで赤い金魚を買ってもらったことがある。
勿論、金魚すくいのオマケ、つまり一匹もすくえなかった残念賞。
自分の子供も同様に、オマケの三匹だ。
家に帰って洗面器に金魚を放すと、周りを調べるように金魚は泳ぐ。
上から眺める、揺らめく金魚はとなんとも涼しげで心地が良い。
しかし、二三日すると金魚は死んでしまう。
餌をやった記憶はないし、エアーを水に送り込んだ記憶も無い。
川から取ってきた水草を入れたくらい。
金魚は庭の隅に埋められて、夏が終わった。
子供心に、これでは金魚は生き続けられないと、どこかで思った記憶があり、
自分の子供の金魚には出来るだけの事はしてやろうと、
ホームセンターで金魚の飼育セットを買って餌も買ってきた。
その甲斐あって今まで生きている。
なかなかに面倒なもので、金魚の糞はスポイドで取ってやらなければならず、
たまにはエアレーションのフィルターを掃除、水換え、たまの時間が潰れるのは事実だ。
けれども生き物、子供も自分も含めて、同じように生きているのだなと改めて思う。
小さい水槽の世界でしかないが、金魚は夏に比べて大きくなっている。