ブルベ仕様のロードバイクを時折車が抜かしていく。
車のテールライトは直ぐに闇夜で見えなくなる。
何故か対向車がいない。
キャットアイのライトが前方の暗闇を切り裂いている。
振り返ると真っ暗な闇夜。
長い間、坂を登っている。
鞍部はまだか?
左を見下ろすと、高速道路上の車のヘッドライトが音もなく流れていく。
ここ、随分高いな。
道合っているか?
GPSを確認するけど合っている。
脚がなくなって来た。
心臓も疲れてきた。
と、頭上に薄っすらと青い「七子峠」の看板が現れた。
ほっとする。
写真撮ろうか?
しんどすぎ。
通り過ぎた。