無いものに気が付く。
冷や汗が出る。
座り込む。
やっと記憶を巻き返し探し始める。
一体どこで失くしたのだ。
ひょっとしてこの下に?
どけてみるが何もない。
例え記憶の片隅から探し出したとしても
誰かが拾って、持ち去ったかもしれない。
それってとっても大事なものなのか?
失くしたら大きな損害が生じるのか?
それほどでもあるまい。
わずかな損害。
ちょっとした不運。
対応できる出来事。
許容範囲。
やっと失くしたものから気持ちを切り替え始めるが、
いつまでも想う。
次第に大切なものに変わっていく。