森の診療所の終の医療 増田進

森の診療所の終の医療

著者:増田進
東北大学医学部を出て、「無医村」の村に赴任した著者。そこで沢村村健康管理課長を兼任し、全国に先駆けて老人医療費を無料化した村で、医療・介護・保険活動を一体化させた「沢村方式」を完成させたという。
地域医療・・・田舎にとっては非常に頭の痛い問題だろう。地方の大学も、地元で勤めるなら奨学金を出すなど、工夫をしているようだけれど、実際に田舎にとどまる若い医師は少ないらしい。
著者は人々の「暮らし」の中に入り込み、患者と人間として向き合う医療を心がけてきたという。しかし現在の医療制度の中で、自分の理想の医療を行うことは難しい。
2007年、73歳のときに自由診療による緑陰診療所を岩手県に開院したとか。
脳卒中、糖尿病・・・生活習慣がもとでかかりやすい病気は、やはり「暮らし」の中に入り込まないと予防は難しい。
食生活も地域によって全然違うのに、栄養士が理想的な献立を示してもやはり実践には結びつかない。
気候もそう。脳卒中を引き起こしやすい家屋があるとか。
あと、「何でも診られる医者」の存在も必要だという。確かに、みんな医学部で一通り勉強はしているはずだしね・・・
私も軽~い持病で内科に通っているけれど、そこの先生はわりと信頼している。いろいろと相談にのってくれるし、配慮もしてくれるし、私が悲しい目に遭ったときは涙を流してくれた。
まだ40代だと思うんで、これからもずーーーっと長生きして診てもらいたいものだ。
地域医療の理想とは何か。医療を志す人にもオススメの本です。
もう一つ、地域医療といえば、だいぶ前に読んだ本だけれど
満足死

これもオススメ。