やめるときも、すこやかなるときも

恋愛小説。二時間半で一気読み。おもしろかった!

「物語」としては予定調和的な部分も気になったけれど、
主人公の桜子の不器用さには共鳴。

映像化の予感……というか、原作者はそれを狙って小説を書いたのでは?
とも思ってしまった。

10年前の西島秀俊さんと(すみません)貫地谷しほりさんあたりで是非してほしい。

脇役もとてもよい。
主人公の壱春の友人、「おかん」というあだ名がついていた妙子のキャラも好き。
大島美幸さんとか……どうでしょう。

松江にまた行ってみたいな~、一生ものの読書椅子が欲しいな~
と思っていたところにこの小説を読んだので、また希望欲望がむくむくとわいてきた。

出不精な私だけれど、本はいろんなところに連れていってくれます。

人はなぜ物語を求めるのか

人間の思考の枠組みのひとつである「物語」について論じた本。

わかったような。わからないような。

「人は何のために生きているのか?」と悩んだことがある人、
悩んでいる人にはヒントになることが述べられています。

高校生からわかる「資本論」

さすがは池上彰先生、あの「資本論」を私でも十分わかるように解説してくれている。

マルクスの先見の明におどろいた。

さて、これからの資本主義はどうなることやら。

最強の読み方

いまをときめく著者、佐藤優氏と池上彰氏の本。

ちょっとでもこういう人に近づけたら……

ネットサーフィンなどしている暇があったら読書しなければ。

人生は残り少ない!

自分のためにも子どものためにも「小学生新聞」とろうかな~

対話する社会へ

暉峻淑子先生、あの「豊かさとは何か」という名著の著者。
まだお元気で活躍されていて何より。

いや、すばらしい本だった。

現代の日本のあらゆる場所(国会、学校、企業、地域社会)で欠けている
大切な「対話」の必要性を説いている。

多くの人に読んでほしい本。

そして、私もライフワークにしたい……

子供にしがみつく心理

大人になれない親。私もそうだわ……と思いつつ読む。

すごくいいことが書かれているのだろう。

でも、なぜ編集者はきちんと推敲しないのか?

たぶん、筆者が語ったことを、ライターが聞き取って構成しているが、
文、文章の流れ、段落構成などなく、非常に読みづらい。

こういう本が増えることを憂う。

悩みいろいろ

経済学者の金子勝先生の本。朝日新聞の悩み相談をまとめたもの。

金子先生の経済学の本はかなり難しくて、挫折経験があるけれど、
これは柔らかい本なのですぐ読了。

悩み相談と同時に、読書案内にもなっている。

やっぱり、本はいいですね。「落語」にもちょっと興味も持ってしまった。

余談だが、先日、朝日新聞の投稿欄に、ある教育学部の大学生が
「読書は本当に必要?(必要ないんじゃないですか)」といった内容の投稿をしていて
衝撃を受けた。

反論の投稿をしようと思ったけれど、いい文章が浮かばない。

読書は「役に立つ」からするだけではなくて、「心を守る」ためにもあると思うんだけどな。

身近な人間に頼れなかったり、孤独を感じたりするときも、
本はいつもそばにいてくれます。ありがたいことです。

さて、金子先生のこの本は、おすすめです。悩み自体は根本的に解決できなくても、
人の悩みに誠実に、真面目に答えてくれる人間がいるということは、人間という存在への
信頼につながるのでないかな。

綴られる愛人

井上荒野氏の作品。

わりと有名な児童文学作家の柚は、夫に支配に耐えかねていた。
仮名、仮プロフィールで、「綴り人の会」という文通代行業に入り、
「クモオ」という男性と文通するようになる。

「クモオ」35歳の、空手が得意なエリートサラリーマン、というのは嘘で、
実は富山県魚津市に住む三流大学の三年生。

二人は手紙をやりとりするうちに、盛り上がってしまう……

おもしろくて一気読み。

手紙だけの不倫なのだけれど、なんともドキドキする。
そして、人間の汚さ、いやらしさが地の文からも手紙文からも立ち上がる。

小説家ってすごい。文字の力ってすごい、と久々に感じた小説でした。