希望のつくり方  玄田有史

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中学入試のために 新聞で鍛える国語力  町田守弘

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ことばと思考  今井むつみ

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テレビの大罪  和田秀樹

テレビの大罪

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「今のあなた」で大丈夫! 香山リカ

「今のあなた」で大丈夫!

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イヌネコにしか心を開けない人たち  香山リカ

イヌネコにしか心を開けない人たち

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価格:756円(税込、送料別)

母親はなぜ生きづらいか  香山リカ

母親はなぜ生きづらいか

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ケータイを持ったサル  正高信男

ケータイを持ったサル

2003年に書かれた本。前からずっと読みたいと思っていた。
今どきケータイ不携帯だと、「主義」のように思われるほどみんなが持っている携帯電話。
私は持っていない。主義ではなくて、必要を感じない。必要になれば持つつもり。
さて、この本は、ケータイでのやりとりでいつでも他人とつながりたがる若者が、緊張感のないやりとりに終始し、結局は成熟した大人になることを拒否する傾向にあると指摘している。
サル学者が見た人間のサル化、といったところ。
家庭の問題にも言及。母子密着型育児、子ども中心主義によって家の中も公共の場も区別のない「家のなか主義」が横行し、公的状況へ出ることを拒絶するようになっているとか。
いまやケータイならぬ「ツイッター」とやらの時代。(興味ないけれどどうやってするのかしら?やっぱり携帯でないとできないの?)
「はじめにロゴスありき」心の中で言葉を操る内言語は不必要になり、ぽかんと浮かぶ言葉をダダ漏れにし、それに疑問を感じなくなる…こうして書いているブログもそんなようなものだけれど、確かに人間の成熟は遅くなるだろう。
成熟した大人になるのはどんどん遅くなる。あるいは一生成熟しない人も増えていくだろうと思う。
成熟した大人って?自分自身の言葉で考え、社会や世界のことを考え、自分をその一員ととらえる人だと思うけれど…自分も含めて、そんな大人がどれだけいるか疑問だ。
ドキリとしたのは、「社会的かしこさ」が40歳で衰えるという章。ウェーソンの4枚カードの問題というのがあり、40代、専業主婦の正答率が低いとか。実際、私も全部正解できなかったし(トホホ)もうすぐ40だし専業主婦。
かしこさの衰える40代に、子どもが思春期を迎えるとより悩みが深くなるとか。
子どもが思春期のころは、40どころか50になっちまう。ハア…

差別と日本人  野中広務 辛淑玉

差別と日本人

野中広務・辛淑玉
2009年に非常に売れた本。
被差別部落出身で、元自民党幹事長の野中氏と、在日朝鮮人の辛氏の対談。
二人とも、差別に苦しんできたマイノリティ。しかし野中氏はクールで、辛氏はホット。
野中氏は被差別部落の人々が不正に利権を得ようとすることに対して非常に厳しい。
辛氏はこれまでの差別の歴史について相当の怒りと恨みを溜め込んでいる感じだ。
事実婚だった夫の言葉「人権は好きだけれど、当事者と一緒にいることは難しい」という言葉が納得できるほど、激しい人なんだと思う。
被差別部落については、『橋のない川』などで知っているつもりだったが、改めてひどかったんだなあと認識。朝鮮民族に対しての差別も、もちろんひどい歴史がある。
「差別は快楽」だという。確かに、いじめが絶対になくならないように、「差別」することも人間の本能かも。「被差別部落」を意図的に作った政府は、頭がいいとは思う。
なるべくなら、差別はしたくない。でも「当事者」になってかかわるのは正直しんどいかも。
関係ないけれど、最近「差別化」って言葉が頻繁に使われますよね。「他の商品との差別化を図る」の文脈で。あれ、どーも違和感がある。
「差異化」という言葉もあるんだから、そっちを使ったほうがいいと思うんだけれど。
どうでしょう?

大人のための国語教科書

大人のための国語教科書

著者:小森陽一
高校で教えた経験もある著者。(今は東大大学院教授。)教師の必携アイテム「指導書」の内容の問題点を指摘しつつ、教科書によく出てくる著名作品について、指導書の内容を超えた独自の読みを展開する。
俎上にのせられた作品は『舞姫』『こころ』『羅生門』『永訣の朝』『山月記』。ね、授業で読んだことあるでしょう?
私は高校の時に『こころ』『羅生門』『山月記』を習ったことは覚えている。『舞姫』はたぶん、私の出身高校のレベルでは無理だと先生が思ったんでしょう、教科書にはあったけれど授業は省略だった。
授業はまったく退屈で、先生が黒板に書きまくる説明とか、要旨とかをひたすら写し、それをなるべく暗記してテストに臨むというもの。生徒のレベルを鑑みてか、ディスカッションとか、そういうのは全くなかった。私は現代文が得意だったので、授業はあまり聞かず、ノートすらとらず、教科書だけは読んで、でもテストの成績はよかった。(イヤな生徒…)
実をいうと、『羅生門』は国語教師として教えたことがある。大学出たばかりで私立高校に勤務していた時代。非常勤なのに研究授業をさせられ(今思えば有難いが)うまくいかずに反省会で吊るし上げをくらった。生徒に感想を書かせたのに、まったく生かされていなくて。
あの頃の生徒には申し訳ない。一生懸命のつもりで空回りばかりしていた。自分の「読み」も指導書の範囲を出るものではなかった。
さてさて、この本ではステレオタイプな読み方から一歩進んだ読み方を提示している。
『舞姫』では主人公の「罪」を一歩深め、『こころ』では男女の三角関係よりも男性同士の恋愛に言及し、『羅生門』では天皇・政治への批判を読み取り、『山月記』ではスルーされがちな李徴の漢詩に着目する。
共通しているのは、小説世界だけではなく、その小説が書かれた時代や、舞台となる時代に着目しているということ。
たしかに、人間の行動は時代に支配されてるところが大きい。こういうことも勉強して授業をしなければいけないのね…
小説を授業で勉強する意味ってなんだろう。これらの「名作」を趣味で読む高校生は0.1パーセントぐらいだろうし、授業で読んで、自分の生き方を考える、他人の人生に思いを馳せる…そういうことが少しでも積み上げられていったらいいですね。
全国の国語教師のみなさんにとっては、きっと読みたくなる一冊です。