差別と日本人

野中広務・辛淑玉
2009年に非常に売れた本。
被差別部落出身で、元自民党幹事長の野中氏と、在日朝鮮人の辛氏の対談。
二人とも、差別に苦しんできたマイノリティ。しかし野中氏はクールで、辛氏はホット。
野中氏は被差別部落の人々が不正に利権を得ようとすることに対して非常に厳しい。
辛氏はこれまでの差別の歴史について相当の怒りと恨みを溜め込んでいる感じだ。
事実婚だった夫の言葉「人権は好きだけれど、当事者と一緒にいることは難しい」という言葉が納得できるほど、激しい人なんだと思う。
被差別部落については、『橋のない川』などで知っているつもりだったが、改めてひどかったんだなあと認識。朝鮮民族に対しての差別も、もちろんひどい歴史がある。
「差別は快楽」だという。確かに、いじめが絶対になくならないように、「差別」することも人間の本能かも。「被差別部落」を意図的に作った政府は、頭がいいとは思う。
なるべくなら、差別はしたくない。でも「当事者」になってかかわるのは正直しんどいかも。
関係ないけれど、最近「差別化」って言葉が頻繁に使われますよね。「他の商品との差別化を図る」の文脈で。あれ、どーも違和感がある。
「差異化」という言葉もあるんだから、そっちを使ったほうがいいと思うんだけれど。
どうでしょう?