ジーパンをはく中年は幸せになれない  津田秀樹  

ジーパンをはく中年は幸せになれない

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母が重くてたまらない  信田さよ子

母が重くてたまらない

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父親再生  信田さよ子

父親再生

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アドラー 人生を生き抜く心理学  岸見一郎

アドラー人生を生き抜く心理学

アドラー人生を生き抜く心理学

価格:1,050円(税込、送料別)

臨床心理士の子育て相談  高石恭子

臨床心理士の子育て相談

著者:高石恭子
読んでいる途中で、この人の師が故河合隼雄氏だと知った。なるほど。
子どもが可愛いと思えない、性のこと、子との分離の悩み、父親の役割、そしてこころの病を抱えながらの子育てについてなど、48の具体的な子育ての悩みに「寄り添う」形で臨床心理士らしく丁寧に答えている。
子どもについてというよりも、子どもと向き合う自分の心についての相談。
子育ては、自分自身のなかに住む「子ども」を育てなおす面があるとか。子ども時代に深い傷つきや満たされたかった甘えや未解決の問題があれば、わが子とのかかわりの中でその課題と向き合うことになるとか。
これから私はいったいどんな課題に向き合うんだろうか。これからありそうな悩みにもホッとするアドバイスをくれているので、参考にしようと思う。
今とりあえず深い悩みはない。深く眠れないことぐらいかな。
今朝三時半に起きて(起こされて)そのまま起きてしまってちと眠い。でも、昼寝するスキはある。
ただ、「ハァー…」と思っていることに関して心理学的な一つの解答を得ることができ、ちょっとスッキリした。
この人の他の著書も読んでみたいな。

心理療法個人授業 河合隼雄 南伸坊

心理療法個人授業

先生が河合隼雄氏、生徒が南伸坊氏となって、心理療法について13講にわたって授業をしている。
対談形式ではなく、生徒の方も先生の方も文章で要点をまとめているので、内容が濃い。
生徒の南氏は虚心坦懐に授業を聞くから、河合氏の方も難しい話をわかりやすくしてくれる。
心が頑丈な私はカウンセリングにはたぶんお世話になることはないし、臨床心理士になるつもりも全くないけれど、人間関係においてはカウンセリングマインドは大切など思う。
そんな視点から重要だと思ったのは「相手の話を真剣に聞くこと」。私は人の話を聴くのが好きだけれど、喋るのも好きなので、聴いているつもりがつい自分の話をしてしまう。
相手が悩んでいたり苦しんでいたりするときには、心から耳を傾けなければ、と思った。
他にも「死にたい」という人は死にたいということでしか「生きたい」気持ちを表せないとか、「妄想」を持つ人が薬で妄想を取り払っても、その人の人生にとってそれが本当にいいことなのか、など、ハッとさせられる記述があった。
クライアントと治療者の関係(恋愛関係など)も興味深い。
臨床心理士になりたい人はとても多いらしい。大学でも心理学系は非常に偏差値が高いし。
河合氏によれば「命がけの仕事」。たしかにあまり軽い気持ちでなって欲しくないし、できない仕事だと思う。
本当は親や友達、教師がカウンセリングマインドを持っていれば理想的なんだろうな・・・

妻の相談に乗ってはいけない 織田隼人

妻の相談に乗ってはいけない

著者:織田隼人
心理コーディネーター(?)という仕事の人が書いたもの。題名にインパクトがあるけれど、女性が他人に「相談」するときは、ただ話を聞いてもらいたいだけであって、具体的なアドバイスを求めているのではない、ということ。ごもっとも。
熟年離婚を申し出るのは、圧倒的に女性から。男性は女性の不満が蓄積していることに気づかない場合が多いけれども「いかに妻の怒りを買わずに生活していくか」を指南した、熟年離婚に怯える男性のための本。
題名の件は、「わかる…」。私も夫にグチをもらしたりすると、必ず彼は具体的な処方を示そうとする。まあ、それはそれで有難いこともある。
あと、ちょっとした夢を私が思いつきで語っても、結構本気に受け取ってプレッシャーを感じるみたい。
本によれば、こういう妻の夢を、夫は「無理だって」と一蹴するのは厳禁だそう。「いいねえー」と流した方がいいらしい。
男の人というものはこういうものなのか、知り合いの旦那さまも、「体調悪いの…」→「医者へ行け」「子供の成績が下がったの…」→「塾を探せ」という返事なんだともらしていた。話を聞いてほしいだけなのにね。
女は、しゃべるためにしゃべるもの。思いつきでものを言うもの。それに対して男は、結論を出してからものを言うのだとか。だから、女はすぐ謝れるが、男は謝れない。女はしょうもないことをダラダラしゃべるが、男は興味のないことを聞くのは苦痛。
役に立つアドバイス、共感できるアドバイスもいろいろとあった。ダイヤモンドの指輪を一回どーんとプレゼントするより、幸せは小分けに多く与える、とか、妻のマシンガントークを封ずる方法とか。妻が落ち込んでいるときは、「がんばれ」というより、抱きしめてあげるとか。
いや、でも妻にここまで気を使わねばならない夫君というもの、ちょっと気の毒だ。
私だって、日々夫のご機嫌をうかがいながら生活している。離婚を切り出される危機を感じたことは今のところないけれど、一緒に暮らす相手は、機嫌がいい方がいいもの。でも、時々うっかり不機嫌にさせる。
『夫に人間関係のグチを相談してはいけない』
『疲れて帰ってきた夫にワイドショーネタを話してはいけない』
『夫にプレッシャーをかけすぎてはいけない』
『夫にマズいご飯を出してはいけない』
とか、そういう、妻のための指南本も、求む。

手にとるように発達心理学がわかる本 小野寺敦子

手にとるように発達心理学がわかる本

著者:小野寺敦子
発達心理学について、実にわかりやすく書かれた入門書。
パート1は、発達の基礎理論。ルソーやフレーベルなど、発達心理学の先駆者たちの紹介から、フロイト、エリクソン、ハヴィガーストなどなど。
大学のとき、教員免許をとるために受けた「教育心理」の授業を思い出す。こんなこと習ったなあ…とてもよい先生で、授業が面白かった。
パート2以下は、胎児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期にわけて、それぞれの年代における課題、問題について社会問題の分析も含めて解説されている。
胎児期~青年期に関しては、子供を持つ親や教師などは一応知っておくべき知識ばかり。
さて、私は成人期。いい大人だ。ユングは40歳前後の中年期を「人生の正午」と呼んだらしい。親の死や自分の病気など人生の転機が訪れ、それまでの理想や価値観とは違うものに出会う時期だとか。
これから辛いことが待ち受けていることは私も想像できるけれど、その中でも自分がどう変化して新しいものの見方を身につけるのか、ちょっと楽しみ。
あと、興味深かったのは、青年期のところで、「父親との関係によって娘の幸福度が違う」という記述。チェック項目で試してみると、私は父親との関係がイマイチで、幸福度も低いらしい。
父はもう死んでいるけれど、若い頃、悩みやつらさを父親に相談したことはないし、したいと思ったこともない…これって普通だと思っていた。しかし自分を不幸だと思ったこともあんまりない。
でも、自分が普通だ、平均的だという思い込みは、愚かですね。

心理療法個人授業 河合隼雄 南伸坊

心理療法個人授業

先生が河合隼雄氏、生徒が南伸坊氏となって、心理療法について13講にわたって授業をしている。
対談形式ではなく、生徒の方も先生の方も文章で要点をまとめているので、内容が濃い。
生徒の南氏は虚心坦懐に授業を聞くから、河合氏の方も難しい話をわかりやすくしてくれる。
心が頑丈な私はカウンセリングにはたぶんお世話になることはないし、臨床心理士になるつもりも全くないけれど、人間関係においてはカウンセリングマインドは大切など思う。
そんな視点から重要だと思ったのは「相手の話を真剣に聞くこと」。私は人の話を聴くのが好きだけれど、喋るのも好きなので、聴いているつもりがつい自分の話をしてしまう。
相手が悩んでいたり苦しんでいたりするときには、心から耳を傾けなければ、と思った。
他にも「死にたい」という人は死にたいということでしか「生きたい」気持ちを表せないとか、「妄想」を持つ人が薬で妄想を取り払っても、その人の人生にとってそれが本当にいいことなのか、など、ハッとさせられる記述があった。
妄想と向き合う人生も苦しいとは思うけれども。
クライアントと治療者の関係(恋愛関係など)も興味深い。
臨床心理士になりたい人はとても多いらしい。河合氏によれば「命がけの仕事」。たしかにあまり軽い気持ちでなって欲しくない。繊細さと図太さ、両方兼ね備えた人でなければできない仕事だと思う。
本当は親や友達、教師がカウンセリングマインドを持っていれば理想的なんだろうな・・・

「心の専門家」はいらない  小沢牧子

題名:「心の専門家」はいらない
筆者:小沢牧子

 
「心のケア」「心の教育」という、現代社会では善きもの、必要とされているものを根底から問う書。けっこう過激かも。
筆者はもともと臨床心理学を専門に研究してきたが、その学に疑問を持ち始めて批判の立場にいたり、臨床心理を問い直し続けてきたという。
大学のときに、ある授業でC・ロジャーズの「クライエント中心療法」というものを習った。
先生がとても温かい感じの方で講義も面白く、「そっかー、相手の言うことを否定せずにまず感情を聞いてあげるのがいいんだー」と納得した覚えがある。
しかし筆者はこの方法も、「真綿のような拘束力・管理力を持つ」ものと批判している。
すべてが「あるものから選択できる」世の中になって、「心のケア」までもが外注できるものになっていることに対して筆者は疑問を持ち、親や友人などの人間関係を大切にし、一緒に考えあう日常の営みを取り戻そうと主張している。
賛成!と思うところもあり、「じゃあどうすればいいの?頼りになる親・教師・友人がいない人は?」と反論したくなるところもあり。
世の中が進んだらなかなか引き返せないし、カウンセラー不要論は「どう利用するか」という点で論じてほしかった。
でも、悲惨な事件や災害があったときに、「心のケアの専門家を派遣しました」というニュースを耳にして違和感を感じたことにある人にとっては、「そっか!」と膝を打つ本だと思います。