どうすれば「人」を創れるか  石黒浩

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金閣寺の燃やし方  酒井順子

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性犯罪被害とたたかうということ  小林美佳

人間失格?  土井隆義

人間失格?

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私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか  松本聡香

世紀のラブレター 梯久美子

世紀のラブレター

著者:梯久美子
明治から平成までの日本人の恋文を集めたノンフィクション。近現代史を生きた人々の恋する姿と、背景にある時代が見えてくる。
散文の恋文と言うのは、生々しくて恥ずかしいものだ。直接的な感情がいかにもプライベートな感じで表出されていて。
斉藤茂吉、石原裕次郎、そして元首相の橋本龍太郎氏のはほとんど「アホみたい」。まあ、恋というのはそういうものか。
そして、男性の方がなんていうか、普段と恋文での人格のギャップが大きいかもしれない。
女の人のものは、そんなに落差を感じない気がする。
和歌で思いを綴るものも載っていたけれど(こちらは主に皇族)人に見せる意識がある分、第三者にとっては美しく恥ずかしくない。
川端康成が手紙をよこさない妻に催促をしている手紙が傑作だった。文句百。罵倒の連打。
紙に残ることを考えなかったんだろうか。
恋には必ず終わりがあって、終わってみれば、なーーんであんなにスキだったんだろう?って、恋心がどこかに消えてしまう。
だから、もらったラブレターを後生大事にとっておく心情、しかもそれを人に見せる心情が理解できない…。(とくに、アホみたいなやつは)
自分がこーんなに愛された価値ある人間だということを、何度もかみしめるためにラブレターをとっておいたりするんだろうか。だから、そんな気持ちは一時的なもんなんだって!
私は恋文捨てる派です!整理整頓は苦手だけれど、捨てるの大好き!

「嫌消費」世代の研究  松田久一

「嫌消費」世代の研究

著者:松田久一
今日は成人の日ですね。新成人の方々、というより、その親御さんたち、おめでとうございます。
毎年この日になると、自分の成人の日を思い出す。ものすごい大雪で、旧友の誘いに乗ることもせず、振袖を着て親戚の家を「どらやき」か何かをもって母と一緒に回らされた。
まったく大人ではなかったあの日。
さて、この本の主役、「嫌消費」世代とは今の20代後半の若者だとか。
「収入が十分あっても消費しない」傾向を「嫌消費」と名付け、この本では大規模な統計調査と聞き取り調査をもとに、「嫌消費」を担う世代の「買わない心理」の原因と深層に迫っている。
今の若者がモノを買わないというのは、朝の「ズームイン」で見たことがある。
車も、ブランド品も欲しがらず、貯蓄に走る。
《30歳までに1000万貯めればなんとかなる。という声もよくきく。》とこの本にはある。そんなに貯めてどーすんの?
この本では、若者の消費が変化しているとし、巷間ささやかれている「低収入」「格差」「非正規雇用の増加」以上に深刻な、彼ら独特の心理=「劣等感」が強く影響しているという。
でも、「コーホート分析」とか、統計の取り方とか、結構専門的な本で、巷の一主婦である私には非常に読みづらかった。
マーケティングとかをやらなきゃいけないビジネスパーソンにとっては、大きな示唆を与えてくれるものかもしれないけれど、統計の結果をみても、彼らが本当に「嫌消費」の世代かどうかは疑問。
……人によるんじゃない?それに、今の日本、どの世代も「嫌消費」でないか?
私も最近は「嫌消費」。特に欲しいモノがない。車もあるし(もうすぐ10年たつけど)洋服も、着ていくところがない。靴もアホみたいに買った時期があるので、靴箱が一杯。
あ、でも最近テレビ買っちゃった。地デジの。大きくキレイな画面で琴欧州を見られて満足。

死刑でいいです  池谷孝司

死刑でいいです

著者:池谷孝司
2000年7月、17歳の時に母親を金属バットで撲殺。2005年、見知らぬ姉妹をマンションで待ち伏せし殺害、放火。
2009年7月、死刑執行。
犯人の山地という男の生育歴や、犯罪に至る過程を、近頃にわかに注目されている「アスペルガー症候群」をキーワードに、専門家の意見を交えて記したノンフィクション。
何の縁もゆかりもない、愛されて育った姉妹を殺した行為は許されるものではないと思う。
たとえ死刑が執行されたとしても、遺族の心の傷は一生癒えることはないだろう。
しかし、山地という男も、気の毒な育ち方だ。母を殺した理由を
・借金があるのに隠して、自分の財布(新聞配達で稼いだ金)から抜き取っていた。
・無断で恋人に電話をかけた(無言電話)。
としている。母親も人とコミュニケーションをとるのが苦手だったもよう。
父親を早くに亡くし、かなり家庭は困窮していたらしい。性格からいじめにも遭い、その上に勉強にもついていけず、高校進学をあきらめざるを得なかった。
少年院から出てきたとしても、引き取り手がいない。結局「ゴト師」のグループに入って全国を転々とし、逮捕されたことも。
少年院の中では優等生だったらしいけれど、その後の生活をどうするか、方針まで立てないとやはり更正は無理なんだとわかる。
アスペルガー症候群。人の心や場の空気を読むのが大変困難だけれど、もちろん、すべての人に犯罪傾向があるわけではない。育て方や環境によって、ちゃんと立派に生きている人も多い。
本当に許せない犯人。「死刑でいいです」と言われたら「そりゃそーだ!」と言い返すけれども、生きていていつも苦しかっただろうと思う。
偏見を助長することはよくないけれど、発達障害についての知識が広がり、支援やコミュニティーの輪が広がることは本当に大切なことだと思う。

レンタルお姉さん物語  比古地朔弥 

レンタルお姉さん物語

著者:比古地朔弥 取材協力:NPO法人ニュースタート事務局
マンガ本です。
「レンタルお姉さん」ちょっとエッチな響きに聞こえるかもしれないが、いやいや、真面目で大変な仕事。ひきこもりの青年を社会とつなげるために、家庭訪問をしたり、外へ連れ出したりする仕事だ。
ひきこもり・・・全然珍しい話じゃない。皆さんの近所、親戚、知り合いにも、一人ぐらいはひきこもっている人がいませんか?
親の庇護でいつまでも生きられるわけじゃなし、健康な若者が働きも勉強もせずに親の家にこもっているのは、社会的損失だろう。
原因はいろいろとあるんだろうけれど、「親」の問題が一番大きいと思う。何でも買い与える、過剰に期待しすぎる・・・これはひきこもり青年を作りそう。
あと、ほとんどのひきこもり青年が家事が出来ないらしい。子どもをひきこもりにしたくなかったら、家事を一通りできるように訓練しておかなくてはと思う。
このNPOでは、寮を準備し、家から出られるようになったら寮生活を進め、自分のことを自分で出来るようにさせ、就労の応援をするのだという。
しかし、「お姉さん」。ひきこもりは男性が多いけれども、そこにお姉さんが現れ、部屋に入ってきたり、いっしょにお出かけなんかして親身になってもらったら、恋愛感情を持ってしまってややこしいことになりはしないか。(もちろん、そうならないマニュアルはあるのだろうけれど)でもレンタルおじさん、レンタルおばさんではあまり効果がないのかな。
ひきこもりの青年たちは、本当は人とのつながりを強く求めている。人とかかわったり、人の役に立つことでこそ生きる意味や幸せを感じるのだと実感できたら、もう大丈夫みたい。
とにかく、子どもを育てる「さじ加減」は本当に難しいみたいですね。

森の診療所の終の医療 増田進

森の診療所の終の医療

著者:増田進
東北大学医学部を出て、「無医村」の村に赴任した著者。そこで沢村村健康管理課長を兼任し、全国に先駆けて老人医療費を無料化した村で、医療・介護・保険活動を一体化させた「沢村方式」を完成させたという。
地域医療・・・田舎にとっては非常に頭の痛い問題だろう。地方の大学も、地元で勤めるなら奨学金を出すなど、工夫をしているようだけれど、実際に田舎にとどまる若い医師は少ないらしい。
著者は人々の「暮らし」の中に入り込み、患者と人間として向き合う医療を心がけてきたという。しかし現在の医療制度の中で、自分の理想の医療を行うことは難しい。
2007年、73歳のときに自由診療による緑陰診療所を岩手県に開院したとか。
脳卒中、糖尿病・・・生活習慣がもとでかかりやすい病気は、やはり「暮らし」の中に入り込まないと予防は難しい。
食生活も地域によって全然違うのに、栄養士が理想的な献立を示してもやはり実践には結びつかない。
気候もそう。脳卒中を引き起こしやすい家屋があるとか。
あと、「何でも診られる医者」の存在も必要だという。確かに、みんな医学部で一通り勉強はしているはずだしね・・・
私も軽~い持病で内科に通っているけれど、そこの先生はわりと信頼している。いろいろと相談にのってくれるし、配慮もしてくれるし、私が悲しい目に遭ったときは涙を流してくれた。
まだ40代だと思うんで、これからもずーーーっと長生きして診てもらいたいものだ。
地域医療の理想とは何か。医療を志す人にもオススメの本です。
もう一つ、地域医療といえば、だいぶ前に読んだ本だけれど
満足死

これもオススメ。