悩みいろいろ

経済学者の金子勝先生の本。朝日新聞の悩み相談をまとめたもの。

金子先生の経済学の本はかなり難しくて、挫折経験があるけれど、
これは柔らかい本なのですぐ読了。

悩み相談と同時に、読書案内にもなっている。

やっぱり、本はいいですね。「落語」にもちょっと興味も持ってしまった。

余談だが、先日、朝日新聞の投稿欄に、ある教育学部の大学生が
「読書は本当に必要?(必要ないんじゃないですか)」といった内容の投稿をしていて
衝撃を受けた。

反論の投稿をしようと思ったけれど、いい文章が浮かばない。

読書は「役に立つ」からするだけではなくて、「心を守る」ためにもあると思うんだけどな。

身近な人間に頼れなかったり、孤独を感じたりするときも、
本はいつもそばにいてくれます。ありがたいことです。

さて、金子先生のこの本は、おすすめです。悩み自体は根本的に解決できなくても、
人の悩みに誠実に、真面目に答えてくれる人間がいるということは、人間という存在への
信頼につながるのでないかな。

綴られる愛人

井上荒野氏の作品。

わりと有名な児童文学作家の柚は、夫に支配に耐えかねていた。
仮名、仮プロフィールで、「綴り人の会」という文通代行業に入り、
「クモオ」という男性と文通するようになる。

「クモオ」35歳の、空手が得意なエリートサラリーマン、というのは嘘で、
実は富山県魚津市に住む三流大学の三年生。

二人は手紙をやりとりするうちに、盛り上がってしまう……

おもしろくて一気読み。

手紙だけの不倫なのだけれど、なんともドキドキする。
そして、人間の汚さ、いやらしさが地の文からも手紙文からも立ち上がる。

小説家ってすごい。文字の力ってすごい、と久々に感じた小説でした。