サラバ! 西加奈子

上下巻ある長編だけど、仕事もちょっっっと暇だし、面白くて2日で読了。

直木賞受賞作。あー面白かった!

やっぱり小説は長くなくちゃね!

主人公は、イランで生まれた圷歩。(あくつ あゆむ)

かわいい顔で生まれた彼には、貴子という、あえてマイノリティーになろうとして
注目を集めようとする背の高い、痩せた姉がいた。

姉の激しさを見て、逆にアクのすくなーい人間になった歩。

その歩の、幼少のころから37歳までを描いている。

こういう、いわゆるビルドゥングス・ロマン的な小説は大好き。

歩がなぜ文章を書くようになるのか、その動機がいまいち納得のいくものでは
なかったけれど、人とのかかわりによって人間って陶冶されていくんだなあとしみじみ思う。

歩は、「日本人代表」という感じの、普通の男だけれど、
実は、そんな無個性な人間はいないんだろうな。

今まで私が出会ってきた人たちもすべて「個性的」だし。

さて、男の子が主人公の本なんだけれど、男子の友情がちょっと、ホモ的。
男の子ってこうなの?男子にも読ませて感想を聞きたい……

My Humorous Japan

人生何度目かわからないけれど、ただ今英語の勉強中。

幸いにも職場には英語のネイティヴ・スピーカーがいるし、

家でもパソコンで英単語の確認ができる。

インターネットによって、英語の勉強が非常にしやすくなった。

高校時代は、「秘伝の英単語」というカセットテープ付き(!)の本を買って
寝る前に聴いたもんだが……

さて、英語を勉強するなら、楽しく勉強したい!

こんな本が教科書だったら楽しいのにな~

私の英語力でも、辞書なしで読める。
辞書なしで、声を上げて笑える!

英語の本を読んで「アハハ~」って言ってるなんてカッコいいじゃないか!

古い本らしいけどロングセラーのようです。

エヴリシング・フロウズ 津村記久子

公立中学3年の春、クラス替えがあり、主人公のヒロシはヤザワと話すようになる。

絵を描くのが好きなヒロシだが、塾が忙しく、前ほどは夢中になれない。

そんなヒロシが、高校に行くまでの一年のあれやこれやを描いている。

ヒロシも含めて、登場人物がすごーくいい。

勉強はできないが、自転車と小説がすきなヤザワ。

ソフトボール部で、珍しくもあけっぴろげな女子、野末。

同じくソフトボール部で、義父との確執に悩む大土居。

なんで昨今の青春小説は、これほど片親の子が多いのだろう?と思うが、それが現実なのだ。

クラスの3分の2が母子家庭、という学校のことも聞いたことがある。

それも人生。やっぱり、友達って、めんどうだけれど中学生にはとても大切。

出会って、影響し合って、また別れて…

最後に大土居と別れる場面、不覚にも涙が出てきた。

はっきり言って、傑作です。

この間紹介した、坪田譲治賞の「クリオネのしっぽ」よりも断然いい!私見ではですが。

ナショナリズムをとことん考えてみたら 春香クリスティーン

テレビ番組での発言がネット上で「大炎上」した著者。(かわいいタレントさんですね)

「右派」「左派」について考え、「ナショナリズム」と「グローバリズム」についても考える。

誠実に、素直に、偏見を持たずに考えようとしているところがすばらしい。

たまに、テレビでお見かけする彼女の素直そうな感じは、文章にも表れていた。

スイスからの帰国子女だという彼女だが、スイスでは政治について語り合うことは
当り前だったとか。

日本では投票権が18歳に引き下げられることになりそうだけれど、日本の若者、
いや、若者でなくても、政治には興味が薄そう。
というか、風土的に、「議論」となりそうな雰囲気を避けるしね。

著書のなかで彼女は、「政治は、自分の生活に直結する」と言っているが、本当にそう。

私も含めて、もっとみんな政治に興味を持ち、意見を持ち、真面目に考えねば!
へんな方向にいっちゃいますよ!

クリオネのしっぽ 長崎夏海

主人公は中学二年生。ある事件で暴れてから、学校では浮いた存在になっている。

転校生のサッチはポニーテールのヤンキー娘。なぜかサッチは主人公の美羽のことを「同類」
と思って近づいてくる。

美羽の母は帰ってこない父親の愛情にまだ縋ろうとしていて、
それにも美羽ははがゆい思いをする。

大変ね、中学生って…とくに中学二年生と言えば「中2病」と呼ばれるほど
難しい。

でも、このくらいの子どもたちをぐーっと成長させるのは、やっぱり友達なんだなあ。
中学生も身近に見ているけれど、けっこう残酷で、女子同士はかなりシビア。

私もそうだったんだろうけれど。

でも、まともに他者とぶつかる経験を超えて得られるものは何ものにも代えがたいですね。

あさのあつこ氏絶賛!だそうです。