しろいろの街の、その骨の体温の


【送料無料】しろいろの街の、その骨の体温の [ 村田沙耶香 ]
主人公は、目立たない小学生、結佳。クラス内の女子同士の関係に面倒さを感じながら過ごしている。
だんだん範囲を広げていく、無機質なニュータウンに住む結佳は習字教室で一緒の伊吹という男の子となんとなく
仲良くなる。小柄で子どもっぽい伊吹を「おもちゃ」にしたいという欲望を持ち、ある日彼にキスをする。
習字教室の帰りに、ときどき結佳の方からキスを迫るという関係が続いて・・・彼らは中学生に。
いわゆるスクールカーストができあがり、結佳は下から二番目のグループ。伊吹は上の方のグループにいた。
さて、彼らの関係はどうなるのでしょう?!
中学生の残酷さ、面倒な人間関係、恋愛の苦しみ、外見のコンプレックスにもだえ苦しみ・・・
といった「疾風怒濤の時代」「中二病」を実にリアルに描いていた。
ほんと、この時代にだけは、戻りたくない・・・
はっきりいって、結佳の伊吹に対する思い&行動は、中学2年のつもりになっても、あんまり共感できない。
でも、後半から最後にかけての伊吹と結佳のやりとりは、もう、読んでいてドキドキしまくった。
切なかった。
子持ちの40代のオバはんでも、中学生みたいにときめくことができるのが、読書の醍醐味だなあ。
そして、伊吹がいいやつすぎる!こんな子が中学のときにおったら、私も好きになってたかなあ。
いやいや、いい子すぎて、警戒してたかも。
こんな風に、男子を好きになれる気持ちが、ちょっとうらやましいです。
行動は、おいといて。
とーーーーっても面白かったです。心に残るフレーズもたくさんありました。
名作だと思います。