【送料無料】鶏が鳴く [ 波多野陸 ]
群像文学賞受賞作品だとか。
高校生の男子である伸太は、かつてのバンド仲間で今は不登校でひきこもっている健吾の動向が気になる。
夜中に健吾がコンビニに行き、ジャンプを買うことを嗅ぎ付けた伸太は、なんと彼がコンビニに
行っている間に、健吾の部屋に忍び込む。
健吾に電話をかけ、彼の部屋にいることを伝える伸太。それでも健吾は思ったより驚かない。
二人は、特に仲良くない。小学校のときも喧嘩をしたし、バンドのときも、なんとなく
しっくりしなかった。恋人も、伸太がとっちゃった。
「素」の自分で互いの気持ちを話し、どっちが「上」かを確かめようと、明け方まで
語り合う。
…小説は短めの長編だけれども、一晩の出来事。二人の長い、長い会話が中心。
しかし、プライドの塊である伸太が、健吾と腹を割ってはなしたいけど素直にできないという
屈折した感情、そして、会話の中で伸太の心情や考えがぐぐぐーーーっと変わっていく
さまが見事に表現されていた。
感想は、男子って本当に大変ね、プライドのぶつかりあいで…という感じ。
寿命が女より短いのもわかるわぁ。
女子は、共感する生き物なので…。
しかし、この小説に出てきた『二十日鼠と人間』という小説を読みたくなりました。
こういう出会いがあるから、楽しいです。