【全品送料無料】僕の父は母を殺した/大山寛人
題名の通り、実名、顔出し、衝撃のノンフィクション。
12歳のとき、夜釣りに連れて行かれた筆者は、寝ていたはずの
母がパジェロごと海に転落する現場に遭遇する。
引き上げられたが、母は死亡。
そのあと、父と二人でより添って生活していたが…
二年後、保険金詐欺&殺人で父は逮捕される。
事故を装って、本当は浴室であらかじめ母を殺していたのだ。
父は、その前にも自身の養父を殺害していた。
荒れる筆者。自殺未遂を繰り返し、悪行を繰り返し、背中に模様をつけ、
職を転々とする日々。
しかし、父に死刑の判決が下り、心情が変化していく。
大好きな母を奪ったけれど、肉親としてどうしても憎み切れない父。
…かなりヘビーな内容だった。
被害者の息子であり、加害者の息子。世間からの風当りはもちろんだが、
筆者自身の「生まれてきたことに対する苦しみ」みたいなものが
が切々と伝わってくる。
自分の人生を台無しにした父だが、死刑は望まない。
この気持ちの葛藤が、当事者にしかわからないものだろうけれど、
率直に語られて、じんわりと伝わった。
筆者はまだ若い。なんとかこの苦しみを克服して、少しでも
幸せに暮らしてほしい、と、遠くから願います。