僕の父は母を殺した


 【全品送料無料】僕の父は母を殺した/大山寛人
題名の通り、実名、顔出し、衝撃のノンフィクション。
12歳のとき、夜釣りに連れて行かれた筆者は、寝ていたはずの
母がパジェロごと海に転落する現場に遭遇する。
引き上げられたが、母は死亡。
そのあと、父と二人でより添って生活していたが…
二年後、保険金詐欺&殺人で父は逮捕される。
事故を装って、本当は浴室であらかじめ母を殺していたのだ。
父は、その前にも自身の養父を殺害していた。
荒れる筆者。自殺未遂を繰り返し、悪行を繰り返し、背中に模様をつけ、
職を転々とする日々。
しかし、父に死刑の判決が下り、心情が変化していく。
大好きな母を奪ったけれど、肉親としてどうしても憎み切れない父。
…かなりヘビーな内容だった。
被害者の息子であり、加害者の息子。世間からの風当りはもちろんだが、
筆者自身の「生まれてきたことに対する苦しみ」みたいなものが
が切々と伝わってくる。
自分の人生を台無しにした父だが、死刑は望まない。
この気持ちの葛藤が、当事者にしかわからないものだろうけれど、
率直に語られて、じんわりと伝わった。
筆者はまだ若い。なんとかこの苦しみを克服して、少しでも
幸せに暮らしてほしい、と、遠くから願います。

野心のすすめ  林真理子


【送料無料】野心のすすめ [ 林真理子 ]
ちかごろよく売れている本、らしい。
林真理子氏のエッセイ&小説は、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』をはじめ、
高校生のときから読んでいる。
私が15、6の時から、ずーっと第一線で活躍する林氏。
そりゃ、一等地に家も建てられるし、エルメスのバーキンだって何個も買えるだろう。
彼女の努力と体力、もちろん才能には敬服する。
さて、本の内容は、題名にもあるように、おそらく自己啓発本。
若い人に「野心をもちなさい」「金持ちを目指しなさい」と激励する本である。
中身は、ほぼ「自慢話」だけど。
ずっと彼女のエッセイを読んでいるので、とくに目新しい記述はない。
しかし、これは、反発くらうだろうなーという意見もあった。
専業主婦というものを、99パーセント否定している。
貧乏で、ママチャリに子どもを乗せて必死にこぐ姿はあわれだと。
カーネギーによれば、人間の考えは偏見に満ちているのだから、
これも一つの意見だ。
しかし、あまりに偏った意見を述べすぎるのも、著者自身の教養の浅さを
露呈してしまうものではないかとも思う。
アマゾンのレビューを見ても、厳しいこと厳しいこと。
たしかに突っ込みどころ満載の本です。
でも、まあ、面白かったからよいのではないでしょうか。

図解 カーネギー 1時間でわかる


図解カーネギー早わかり 1時間でわかる
このあいだ読んだ「カーネギー 人を動かす」などを簡単に解説したもの。
1時間で読めるかどうかは…ちょっと難しいと思うけれども、
わかりやすく、おもしろかった。
人間は自分のことしか興味がない。だから、興味深く相手の話を聞くこと。
自分からその行動をしたいと思わせること。
世の中のことはすべて人間関係が決めているのだから、
人に嫌われずに、人を動かすことが大事だそうな。
確かに、「知る」=「領る」 相手のことを知ることは支配につながる。
まずは、聞き上手と、相手を批判しないことを心がけよう!

よだかの片想い


【送料無料】よだかの片想い [ 島本理生 ]
主人公は、顔にあざがある女の子。
コンプレックスを抱えながら生きてきて、それでも勉強をがんばり、
物理を学んで大学院に進んだ。
ある日、顔に傷やあざがある人などを特集した本の表紙に自分の顔が載せられることに
なり、出会いが生まれる。
島本理生氏といえば、恋愛小説なので、ほぼ、恋愛の話だったが、
家族や友達、後輩との関係なども丁寧に描いている。
そして、愛だの恋だのを通じて、「人間としての成長」が
描かれている点がよかった。
島本氏の小説にはいつも「心の傷」を抱えた人が出てくるけれど、
今回のは、嫌気がさしませんでせした。
二時間あれば、読めます。

人を動かす

夫の本棚にあった

【送料無料】 マネジメント エッセンシャル版 基本と原則 / ピーター・ファーディナンド・ドラッカー 【単行本】
を手に取ってみたが…ちょっとこれは私には読めそうにないと思った。
その代わり、下の本が名著だといううわさなので、読んでみた。

【送料無料】人を動かす新装版 [ デール・カーネギー ]
『マネジメント』は具体例がとても少なく、抽象的だったが、これは非常に具体例が多い。
人の上に立つ人間、あるいは社会人、親、教師、…あらゆる人に役に立つだろう。
相手に好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法…人心掌握術である。
しかも、それほど複雑なものではなく、様々なエピソードをもとにして述べられている。
しかし、単純な実践こそ難しい。
「笑顔を忘れない」「ほめる」「やる気を引き出す」…
たった一人の子ども相手にですら、できていない…
でも、役に立ちます。時々読み返そうと思える本でした。

死にぞこないの青


【中古】 死にぞこないの青 幻冬舎文庫/乙一(著者) 【中古】afb
作者の名は「おついち」と読むとか…乙一初体験。
ホラー作家?と聞いたことがあるので敬遠していたが、教師によるいじめを題材にした
ライトノベルだった。
主人公は内気な小学生。あることをきっかけにして、人気者のさわやかな新任教師から
嫌われ、標的にされ、いじめられ、教室内にもその空気が伝わり、クラスで一番
ダメ人間だという烙印を押される。
でも、ある日、「死にぞこないのアオ」にであい、復讐が始まる…
ここに出てくる教師がホントにひどい。最低。でも、小学生にはどうしようもできない。
ここまで極端な教師はいないだろうけれど、似たケースはあるかもしれない。
昔のことを思い出せば、小学校のときの先生で、子どもに対する好き嫌いが
異様にはっきりわかる先生がいたなあ。
前に紹介した『スクールカースト』でも、教師はクラス運営のために
スクールカーストを利用すると述べていたし…
この小説では、悪い教師にはお仕置きがあったので、すっきりしました。
あっという間に読めます。気軽にスカッとしたい人はどうぞ。

もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら


 【中古】ライトノベル(その他) もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら / 岩崎夏海【10P24Jun13】【画】【中古】afb
高校生に勧められて読んでみた本。
かなり、話題になっていたベストセラーであり、読んでみたいと思っていたが機会がなかった。
知らなかったのだが、テレビドラマにもなっていたとか。
わかりやすいストーリーであり、まさに「ライト」な小説だった。
文学的な価値は???
しかしドラッカーのマネジメントを手にとってみたくなる。
(家にはあるが、まだ読んでない)
話ができすぎていて、漫画てぃっく。登場人物があっさりと(?)死ぬあたり、
なかなか変わらないはずの「大人」(監督)が変わるあたり、そして
公立の進学校があっさりと甲子園に行ってしまうあたり。
でも、高校生が少しでも読書に親しむためなら、
このような本もいいのかもしれない。
やる気も出るし。
私も「顧客」のためにガンバろう、と思います!

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年


【送料無料】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [ 村上春樹 ]
村上春樹の新刊を、やっと読むことができた。
出せば売れる、描き下ろししかしない、村上作品。
読みだせば、どうなるのかなー?と先が気になり、あっという間に読み終わった。
もどかしさと物足りなさがやや残る。
20代のときに、村上作品を読んだ時のようなフレッシュな感動には至らなかった。
私が「慣れた」のか、村上春樹氏が「自分の真似」スパイラルに入ってしまったのか…
いつものパターンだなあ…だった。
中学1年ぐらいのとき、「赤川次郎」にはまり、お小遣いを彼の文庫につぎ込んだが、
ある日、出てくる女の子がいつもあまりに類型的で同じことに気づき、飽きてしまった。
それからまったく、手にも取らなくなった。
村上氏の小説に出てくる女性も、それから男性も、パターン化している気する。
あと、金持ちしか出てこない点も、さびしい。
もちろん、小説は楽しめた。4人の親友にある日突然去られた心の傷を
直す?ために巡礼に出る「つくる」。筋は面白いし、心に残るセリフもある。
でも、村上春樹を初めて読むという人には、進めないなあ…
ノーベル賞、うーーーーん。