男の子の育て方 諸富祥彦


【送料無料】男の子の育て方 [ 諸富祥彦 ]
子育ては、いつも悩ましい。
わが息子は2歳半。
元気で、よくお話ができ、おむつも取れそうで、よく食べ、よく寝て、
楽しそうに毎日遊んでいる。
何を悩むことがあろうと思うけれど、それでも、悩ましい。
去年の5月の自分のブログには、「まだ叱るようなことがない」と書いている。
…ああ。それが…
今は朝から晩まで怒りっぱなし、怒鳴りちらし、脅しまくっている。
いままでの人生で、これほどまでに人に怒りをぶつけ、嫌味な態度をとったことはない。
毎日、毎日、落ち込んで、夜、すやすや眠る子どもの横で「明日こそは怒らない」
と思うけれど、
もう、次の朝には怒れる母に変身している。
さて、自己反省はおいといて、
この本。また、子どもが大きくなったら読み返したいけれど、
「結婚力」「学力」「仕事力」を伸ばすために親がするべきことについて述べられている。
さしあたって、私がするべきことは、子どもとべたべたし、十分な優しさで
接すること。しょうもないことで子どもを否定するような言葉を使わないこと。
惜しみない愛情を受けることで、安心感と自己肯定感が生まれ、
さまざまなことにチャレンジできる心の土台を作るのだとか。
また、反省。
毎日、少しずつ、子どもを傷つけ、自信を喪失させるようなことを言っている。
片づけないとか、いたずらをやめないとか、ご飯の食べ方とか、小さいことで…
いかんいかん。
この本によれば、思春期以降にさまざまな問題を起こすのは、
「長男・初めての子」が圧倒的に多いのだとか。
はじめての赤ちゃん、異性である男の子の行動がお母さんには理解しづらく、
イライラにつながり、お母さんのイライラに子どもが反応することが関係するとか。
怖いなー。毎日イライラをぶつけ、子どもが萎縮するまで怒らないと気が済まない…
思春期にぐれたら私のせいです。まさに。
どーしましょー。
0歳から6歳までは「ラブラブ期」だそう。
十分に甘えさせて、ベタベタしなければ。
ダメな母でも私が母。今しかべったりくっついて
遊べない!笑顔で、笑顔でを心がけます。

国語が子どもをダメにする 福嶋隆史


【送料無料】国語が子どもをダメにする [ 福嶋隆史 ]
面白く、勉強になった本。
オビの文章は…
「国語力とは論理的思考力である。しかし、学校では感性の授業ばかり。一方、進学塾の模試やセンター試験は読解偏重、難解複雑信仰、長文速読主義で弊害が多い――カリスマ教師が、国語教育の大罪を内部から検証し、脚光を浴びる「ふくしま式」メソッドを伝授。革命的な国語教育論。」
この本に述べられている現代の国語教育の問題点は…
・小学校で国語をまともに教えていない。
・内容重視で、形式の訓練をしていない。
・読書感想文の書き方を教えない。
・入試国語がひどい。
などなど。
そして、改善案は
・同等関係・対比関係・因果関係を整理する力をつけよう
・国語テストを一新しよう
ということ。
センター試験に問題があるという意見には大賛成である。
私も、センター試験は国語力を試すものではないと思ってきた。
実力がそこそこあると思われる子が、センターで国語だけ撃沈したのを
何度も見た。
センターの現代文は、ある方法をつかめれば解けるようになるけれど、
その「方法」を身につけることが国語力を高めるとも思えない。
漢字の書き取りと、文章の要約だけで、基礎力は判定できるのになあと思ってきた。
問題自体がひどい場合もあるし…
この本の筆者の意見にはおおむね賛成した。
ただ、私は子どもたちの「語彙力の無さ」も問題点だと思うので、その点も書いて
欲しかった。
国語、とくに現代文は、教える人によって面白さと有用性が随分と違う教科だと思う。
ひどい先生は、生徒に教科書を読ませ、
教師用トラのまきに書いてあるような要約を黒板に書くだけ。
そんな教師が実際多いのでは?
現代文とか小論文とかを教えるのは、勉強すればするほど面白い仕事だと思う。
仕事全般に言えることかもしれませんが…

生きる悪知恵 西原理恵子


【送料無料】生きる悪知恵 [ 西原理恵子 ]
漫画家、西原理恵子氏が、さまざまな読者の悩みに答える本。
さすが…波乱万丈な人生を送った女性の答えは違う!
TOEIC受験が義務づけられた英語苦手会社員には…フィリピンパブに行け!
妻の飯がマズいんです…焼いてポン酢をかければ何でもうまい。
夫が浮気しているかもしれない…携帯を見たアンタが悪い!
夫の前妻の子との距離感がつかめません…子どもを3~4人うめば距離感もクソもなくなる!
などなど。
「フィリピンパブ」はナイダローと思うけれども、まじめに答えてて、なるほどなあ…と感心するものもある。
本を一読して、根底にある著者の考えは、とにかく働け、子どもをたくさん産め(作れ)、悩むより行動せよ、自分を受け入れよ、ってことかしら。
人生相談といえば、さわやかで、まじめで、励まされる答えが返ってくるものだけれど、
この本では不真面目だけれど人生の真実をつく答えが返ってきているように思う。
くよくよ悩むふりをして、自発的に行動しなかったり、他のせいにしている人には
かなり厳しい。
たくさん笑ったけれども、一つの人生観にも触れられて、よかったと思います。

すみれ 青山七恵


【送料無料】すみれ [ 青山七恵 ]
お盆休みの一日、やさしーい夫が子どもを近所の公民館に連れて行ってくれた!
そのスキに、40分ほどで読み終えた本。
主人公の藍子はデキる両親をもった平凡な中学生。
ある日から、両親の大学時代の友人だという「レミちゃん」が家に住みつく。
レミちゃんは昔は小説家志望だったらしいけれど、
37歳で働きもせず、家で汚いフリースを来て煙草をふかしている。
両親は忙しく「レミの話し相手になって」と藍子に言っている。
レミと藍子はよく話すようになり、小説家になりたいという藍子に『チボー家の人々』
を勧めたりする。(もちろん、読めない)
…レミちゃんは結局、大人になりきれず、両親もレミちゃんを抱えきれず、
予想通りの結末だった。
青山七恵氏の作品にしては、ちょっともの足りなかったし、こういう話は
どっかで読んだよなあ、という感じがした。
小説観、というものが小説の途中と最後に出てくる。
「いちばん大事な言葉に何枚もいらない飾りの言葉をかぶせて、包んで、本にして、知らないだれかに投げつけてるの。そのうちたった一人でもいい、だれか一人が最後の大事なひと言にたどりついて、それを何かの助けにしてくれたなら、今まで自分が手を放してしまっただれかが、別のだれかにきっと救われるんだって、ほとんど祈るみたいに、無理やりそう信じて、書いてるの」
…これは藍子のことばなのだけれど、=青山氏の考えだったら、なんかつまんないなあ。
そんなに早く小説家としての手のうち見せなくてもいいんじゃないかなあ。
って思う私はひねくれもんでしょうか?

よろこびの歌 宮下奈都


【送料無料】よろこびの歌 [ 宮下奈都 ]
仕事上の必要にかられて読んだ本。
前に紹介した宮下氏の小説よりも、ずっとずっとよかった。
これといって特徴のない新設の女子高が舞台。
御木元玲は、高名なバイオリニストの娘。
音大附属高校の入試に失敗して、新設の女子高に不本意入学する。
そこで何事にも無関心に、日々をすごしていたのだけれど、
合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまう。
やる気のないクラスメートたちに、本気で歌わせようとするのだけれど、
失敗する。
でもそのあとのマラソン大会で、自然に歌が生まれる瞬間に立ち会う…
という表題作のほか、連作形式で女子高生たちの鬱屈とか、再生とかを描く。
とてもよき青春小説です。
ブルーハーツ・ハイロウズの歌の題名がモチーフになっています。
久々にブルーハーツを聞きたくなってきた♪

項羽と劉邦


項羽と劉邦 上巻 新潮文庫 改版 / 司馬遼太郎 シバリョウタロウ 【文庫】
たまには、歴史小説。
ひさびさに長編を読んだ。もともとは長編好きなのだけれど、
忙しくて遠ざかっていた。
司馬遷の『史記』を題材にして、将軍である「項羽」とのちに漢帝国をうちたてた
「劉邦」の戦いを小説仕立てにしたもの。
司馬遼太郎も歴史もあんまり得意ではないけれど、読み切ることができた。
二人のリーダーの対比がはっきりしていて、わかりやすい。
項羽は、激しい性格。能力はすごいが、部下を信じられない。
劉邦は、自分では何もできない。あきれるほど弱い。逃げる。でも、人を信じて任せられる。
この本では劉邦は「大きな袋」みたいと表現されていた。
あと、何とも言えない愛敬があったと。
若いころ働いていた職場のトップを思い出した。
酔っぱらって夕方職場にやってきてかき回して帰るような人だったけれど、
その人に声をかけられると、なんかとてもうれしく、頑張ろうという気になった。
なぜか、みんなその人のことを「困った人」と言いながら好きだった。
そして、結局人がついていくのは「飯を食わせることができるもの」
まあ、確かにそうだ…
リーダーということについて、その像というものがいかにあるべきかを
考えつつ読んだ。
リーダーシップということについて、近頃考える。
政治に関しても、子どもたちの学校生活に関しても、スポーツに関しても。
リーダーシップをとれる人間が出てくることはとても大切なのに、
日本では育ちにくいのでは?
でも、ネットと新聞でしか知ることができないが、サッカーの宮間選手の
リーダーシップには、なんか胸キュン(古い!)です。