【送料無料選択可!】金米糖の降るところ (単行本・ムック) / 江國香織/著
久しぶりの江國香織。
ブエノスアイレス近郊の日系コロニアで育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃からボーイフレンドを<共有すること>をルールにしていた。留学のため来日した二人だったが、誰からも好かれる笑顔の男、達哉と知り合う。達哉は佐和子との交際を望み、彼女は初めて姉妹のルールを破り、日本で達哉と結婚する。同じく達哉に好意を抱いていたミカエラは父親がはっきりとしない命を宿してアルゼンチンに帰国する。20年後、佐和子は突然、達哉に離婚届を残して、語学学校の教え子であった田渕ともに故国に戻る。一方、ミカエラは成長した娘アジェレンと暮らしていたが、達哉が佐和子を追いかけてアルゼンチンにやってくると……。
↑これは、アマゾンから引用したあらすじです。
相変わらずの恋愛小説なんだけれど、いつになく退屈で、休み休み読んだ。
主人公の女性の思い切りのよさ、潔さはいつもの通りだと思うのだけれど、なんで田渕といっしょに暮らすことにするのか、わからない。田渕の魅力がわからない。
そもそもナルシストの達哉と結婚したのが何故かも、わからない。
男女関係を描くというよりも、奇妙な姉妹の奇妙な話といった印象だった。
舞台がアルゼンチンというのが、新境地なのかなあ。でも、私からすると、編集者とアルゼンチンに行って、さあ、アルゼンチンを舞台に書きましょう!とせかされて書いている気がして…
どうしても書かずにいられない、といったものが感じられなかった。
もっと、ぐっと来るものが読みたいなあ…
月別: 2012年3月
口紅のとき 角田光代
【送料無料】口紅のとき
作者:角田光代
一人の少女が老婆になるまで、「口紅」を題材にして描いた短編集。
資生堂とのコラボ?みたいな感じらしく、長ーーーい広告コピーみたい。
どの小説も、話はありきたりといえばありきたりなんだけれど、場面が
鮮やかに頭に浮かんできて、その年齢の女性の気持ちに引き戻される、あるいは
想像できる。
作者があとがきにも書いているけれど、女性の化粧品のなかで、やっぱり華
があるのは口紅だと思う。
ファンデを塗って、口紅をつければ化粧は完成。
最初に「色つきリップ」から挑戦するしね。
どんな女性でも、口紅にまつわる物語の一つや二つはあると思う。
私の頭にぱっと浮かんだのは、会社の旅行で海外に行くという父に頼んだ
口紅。雑誌の切抜きを見せ、「こんな色のを買ってきて!」と。
大学生だった私に、普段はドケチの父が買ってきたのは、シャネルの青みがかったピンク色。
バブル時代の色…当時は流行っていたので、気に入ってよくつけていた。
シャネルの青みがかったピンク色の口紅は、今の私は絶対つけない
けれど、なんか、青春の色だったなーと思う。
と、そんなことを思い出してしまいました。
この小説は、そうね、1時間半もあれば読めます。
太陽のパスタ、豆のスープ
【送料無料】太陽のパスタ、豆のスープ
宮下奈都 著
今日で震災から一年ですね。被災者の方にお見舞い申し上げ、亡くなられた方々に
お悔やみを申し上げます。
さて、この本。この間、仕事で全国の高校入試を眺める機会があり、この人の作品が
多く採られていたのが気になった。
きっと質のいい青春小説の書き手なのだろう…と推測して
初めて読んでみた。
主人公は二十代後半の女性。会社づとめで、両親と暮らすOLである。
ある日突然、婚約者から婚約破棄を言い渡され、失意。
しかし、人とのかかわりや、生活環境の変化によって復活していく…
というお話。
よいお話で、さわやかではあるのだけれど、グッとくるものはなかった。
まあ、ちょっと中年の私には退屈&どこかで読んだような話って気がした。
悪い人が出てこない話。人の心のどす黒いものも見えてこない話。
でも、その分、中学入試や高校入試では使いやすいかもしれません。
ニキの屈辱 山崎ナオコーラ
【送料無料】ニキの屈辱
山崎ナオコーラ
恋愛小説。
加賀美(男子)は憧れの写真家、ニキ(女子)のアシスタントになる。
口の悪いニキにこき使われるが、幸せ。
「女の子」の写真家として扱われることに葛藤を感じるニキだが、
いつしか、加賀美と付き合うようになる。
憧れの写真家、上司から「彼女」へ。
二人の関係も変質していく。
加賀美の心も変化していって…
恋の、始まりと、終わりを非常に繊細に描いていた。
なんてことのないストーリーだけれど、
ディテイルがよい。
映画化・ドラマ化したらがっくりくると思うけれど、
し易いかも。
いい文学作品は、映像化するとほんとうにしょうもなくなる。
この間『悪人』をテレビ映画で見たけれど、吉田修一の
原作のよさが全然伝わっていなかった。
残念。主人公のつまぶきさんと深津さんの演技はよかったけんど。