初夜 イアン・マキューアン

初夜

作者:イアン・マキューアン
ブッカー賞作家、イアン・マキューアンの最新作。
へんてこな小説だった。異色の恋愛小説。
歴史学者を目指すエドワードと若きバイオリニストのフローレンスは、結婚式をつつがなく終え、風光明媚なチェジル・ビーチ沿いのホテルにチェックインする。
初夜の興奮と歓喜。そしてこみ上げる不安。二人の運命を決定的に変えた一夜の一部始終を、こまかーい描写で描く。(特にエッチというわけではない)
合間に、二人の成育歴、出会いがはさまれ、初夜における二人の心理描写も交互に描かれる。
性の解放が叫ばれる前の1960年代初めのイギリスが舞台で、二人はまだベッドをともにしたことがない。
エドワードは、早くフローレンスとひとつになりたい!という強い欲望があり、フローレンスの方は「そういうこと」になんともいえない嫌悪感を持っていて、気分が憂鬱。
まあ、よくある話というか、男女の性欲の違いということでいえば普遍的ですね。
昔の職場のおじさんが「『死体』と『遺体』の違いわかる?男は『したい』で女は『いたい』ヘヘヘッ」とか言ってたけれど…
この小説は悲劇といえば悲劇、見方によっては喜劇的な結末を迎える。
面白かったかと聞かれると、ウーーーン。小説の試みとしてはユニークな感じだけれど…
男と女。互いに成熟していない(自分のことしか考えない)と、傷つけあうもんだなあと思わせられる小説でした。