ポスターを盗んでください+3
著者:原研哉
この人の名前を、去年までは知らなかった。2009年の入試で、東大、早稲田大、学習院大など、多くの大学で原氏の『白』という文章が出典として用いられた。私だけではなく、多くの人が彼を文章の書き手として知り、心に刻んだと思う。
本職はグラフィックデザイナー。武蔵野美術大学教授。商業デザインの分野で多くの賞を得、大活躍のひとらしい。
コーヒーマキシム、のパックとか、ウイスキーのビンのデザインとか。
本は、ずいぶんと昔に書かれたエッセイを集めたもの。おそらく原研哉の文章なら注目されて売れると考えた出版社の人が新しい装丁(もちろん筆者の装丁)で出そうとしたんだろう。
新しいものは三つだけ。だから+3、と題名についている。
著者はデザインと同じく、文章を書くのも好きだったらしい。でも高校時代(岡山操山高校ですね)の友人、原田宗典氏があまりに文章がうまかったので、文章の道はあきらめたとか。
エッセイは読みやすいものばかり。いろんな商品のデザインをしたいきさつとか、身近な出来事、旅の記録。こういう仕事をしている人は、旅先なんかでは何をみてもデザインが気になって仕方ないらしい。
私は普段なーんにも考えず(値段と添加物と内容量を見て)食品、商品を買っているけれど、その商品を売るために日々デザインに腐心している人もいるんだと知る。
すぐ忘れると思うんだけれど、ちょっとはデザイン・パッケージに着目しようかしら。
本は、けっこう装丁重要ですね。装丁がキレイで買ってしまった本もある。(大昔、大学時代、よしもとばななの「TSUGUMI」とか)
あとは、改善してほしいデザインの商品といえばティッシュの箱。ティッシュカバーとかは邪魔くさくて使わないので、もうちょっとシックな箱の選択肢があってもいいんではと思う。5箱全部原色花柄にしなくてもいい。
どう思います?