なぜ若者は保守化するのか
著者:山田昌弘
題名を見て、「保守」とは故中川昭一氏や安部普三氏、平沼赳夫氏の言うような保守主義のことかと思い「へー、若者ってそうなんだー」と思ったんだけれど、読んでみるとちょっと違っていた。
この本の保守というのは、「安定志向」「無難な道へ」という意味。
著者は大学の先生で「パラサイト・シングル」という言葉を生み出した社会学者。本は『週間東洋経済』に連載されていたコラムを集めたもので、読みやすいもの。
主に経済的な視点から、現代社会の問題点や傾向について分析し、ときには提案をしている。
若者が安定志向になるのは当たり前だと思う。私が大学生のとき、就職活動について大学側はまーーーったくのノータッチだった。インターネットもなかった。でも、みんな正社員として就職していた。バブル崩壊直後でまだ就職氷河期ではなかった。
しかし、その二年後ぐらいから就職氷河期…そして今の不況。「正社員」になるのはかなり難しい。未だに新卒偏重の世の中で、若者が正社員になりたいと切実に願うのはわかる。
少子化の問題についても筆者はもどかしい思いを抱いている。育児休業を取れるのははっきりいって公務員だけ(そりゃそーだ)。
それ以前に、結婚できない人が増えている。なぜ結婚できないか。正社員ではないから。お金がないから。(そりゃそーだ)
政府の少子化対策は、ピントはずれなところがあると批判している。
コラムの内容は、教育問題や家族の問題、格差など多岐にわたっている。
受験生でもラクラク読める内容だし、扱っている話題も入試で出題されそうなものが多いので、社会学系の大学の小論文などでも役立つと思います。