光
作者:三浦しをん
三浦しをんといえば、明るくて、元気になれる小説!というイメージがあったけれども、こんな小説も書けるんだー新境地!と思わせられる作品だった。
信之と美花は小さな島にすむ中学生。島でいちばん美しい美花と信之は人目をしのんで肉体関係をもつようになっていて、信之は美花に夢中。小学生で、輔という男の子が信之にまとわりついてくるが、父親からも虐待されている輔が信之は鬱陶しくてしかたがない。
ある夜、神社で美花と逢引きをしようとした信之。輔もしつこくついてくる。なんとその夜、大きな津波が起こり、島全体を飲み込み、ほとんどの島民が死んでしまう。
生き残ったのは信之、美花、輔、輔の父親、燈台守の爺さん、観光客の山中など数名…
避難していたある夜、山中が美花に乱暴しているのを信之は目撃し、思わず山中を殺してしまう。それを輔が見ていた…
20年後、美花は女優になり、信之は公務員になって妻と娘を持ち、輔は工場で働いている。
輔は執念深く信之の居場所をつきとめ、追い詰める。そのとき信之はどうしたか?
信之の娘の5歳の椿も性犯罪に遭ったり、非常に救いのない暗い内容。題名にある「光」がどこにあるのか、探せども見つからない。
人を殺した人間は、その残影につきまとわれて幸せになることはできない…暴力は、必ず暴力で帰ってくる…
読み終わったあと、ずしーーんんとくる小説だった。ストーリーは面白くて、ぐいぐい読めます。