新釈現代文
著者:高田瑞穂
ちくま学芸文庫から復刻版として出た受験現代文の参考書の古典とも言える書。
刊行は1959年(!)でも、それほど古さは感じられなかった。入試の形式は、さすがに今とは違うなあーと思ったけれども。
「現代文」という科目は、生きていくうえでとても重要な科目だと私は信じている。でも、高校の授業で、現代文の授業ほど受験と結びついていない科目はないだろうとも思う。
だから、勉強は必然的にあとまわし。現代文なんて生まれつきのセンスだよ、という声が受験生からもよく聞こえてくる。
この参考書は受験テクニックを教えてくれるものではない。あくまでも王道。論の展開を性格に「追跡」して論理を把握すること。これにこだわってそれぞれの入試問題に解説を加えている。
さらに、若者に対する啓蒙書の意味合いもある。ググっとくる言葉がたくさん。
「現代文とは、何等かの意味において、現代の必要に答えた表現のことです」
「(入試現代文が難解に思える人は)無理をして、自分の精神年齢を引き上げなくてはなりません」
「(不合理、不調和、不均衡を感じ取る人間精神の働きを)私は論理の感覚と名づけるのです。…われわれの生活の瞬間瞬間に本当に役立つものは、そういう感覚だけだからです」
などなど。
一人の独立した精神を持つ大人として成長するのに、現代文は大切なのよね、と改めて思わされる。
取り上げられた問題文も、なかなか論理的でいいものばかり。残念なのは、それぞれの著者がわからないこと。誰の文章か、気になる。
もうすぐセンターもせまってる、という受験生には不向きかもしれないけれど、高校二年生ぐらい、あと国語教育関係者にはオススメです。