僕は、字が読めない。
著者:小菅宏
南雲明彦さんという24歳の青年(表紙の写真にあるように、なかなかの好青年)が、読字障害(ディスクレシア)と闘い続けた記録。南雲氏へのインタビューと、母の日記が中心になっている。
読字障害というのは学習障害の一つ。文字を読むのに人一倍時間がかかったり、文字をまとまりで理解することが出来なかったりするという。程度は人によってそれぞれ。
会話のコミュニケーションにはまったく困らない。
読字障害をカミングアウトしている人は海外に多い。有名どころではトム・クルーズ、ウーピーコールドバーグ、などなど。医師や小説家にもいる!
知能が低いわけではなく、苦手分野があるだけということ。でも、文字を使うことが必須の文化であるために日常に非常に支障が出る。
私も「さかあがり障害」で「軽い方向障害」だけれども、日常に支障はない。
読字障害がいかに本人を苦しめるかということは本を読めばわかる。苦しさの歴史、という感じだ。
南雲氏は数回の自殺未遂を繰り返し、高校も途中からいけなくなり、引きこもりになった経緯がある。
黒板を写すのに時間がかかって勉強についていけない、アルバイトはすぐにクビ。「なぜ自分はこうなのか」ということがわからない。
でも、自分が典型的な「読字障害」ということを知ったことで本人も家族も気が楽になったという。
学習障害とか、アスペルガー症候群とか、近頃よく言われるようになったけれど、大切なのは本人も親も周囲もそのことを「知ること」だとわかる。知ることによって対処もできるし、「適材適所」の仕事が見つかる可能性もある。
「頭が悪い」「異常に空気が読めない」と普通のものさしで判断して悲観する前に、現実を知ることの大切さを知った。