希望と絆 姜尚中

希望と絆

著者:姜尚中
セクシー中年姜尚中の講演を基にした岩波ブックレット。30分で読める。
「絆」と「希望」を失った日本に対する願いとメッセージ。
地方はズタズタ、自殺者は増え、命への無関心がはびこる現代。「自由競争」「自己責任」という言葉が常識になっているけれど、社会を「絆によって結びついた人々の支えあいの仕組み」なのだとしている。
4月に「飛翔体」を打ってきた北朝鮮の問題。北朝鮮はこのまま放置しておいていいはずがないけれど、平和的手段のためには交渉しかない、北朝鮮を知るしかないと述べている。東京大学にも北朝鮮を研究する機関も研究者もないらしい。
面倒な相手は非難するだけで交渉しない、というのは個人同士の付き合いでもありがちだし。
姜氏によると、故加藤周一氏は日本を「少数意見の尊重」という考え方が薄い国だと言っていたらしい。
しかし、意見が多数派であるか少数派であるかというよりも、「正当性」があるか否かで議論すべきだと姜氏はいう。あたりまえのことだけれど、日本はそういうことはできてないかも、確かに。
自民党の圧勝から4年で民主党の圧勝になってしまう。マスコミでも「自民VS民主」の比較ばかりで、その他の政党のマニフェストはあまり取り上げていなかった。
自民にしろ民主にしろ、憲法は変えられるだろう。どうなるのやら。
本の最後にこんな言葉があった。
「われわれが、『景気が少し上向けば・・・』と、同じことを繰り返すのであれば、やがて人間に来る破綻は、もっと大きいものになるに違いないでしょう。」と。
私も一般企業で働いたことがないからか、「経済成長って、永遠にしなければならないものなの?」と素朴な疑問を抱くことがある。これも、少数の意見なんだろうな。