おんなのるつぼ  群ようこ

おんなのるつぼ

著者:群ようこ
群ようこ氏のエッセイは、読みやすくて親しみやすい。読書エッセイ、猫エッセイ、日常エッセイ、いろいろあるけれど、『おんなのるつぼ』は兼好法師ではないが、「お叱り」エッセイだ。
群氏ももう50代。おばさんの視点で若い娘たちの行状に物申している。
お叱りだけでなく、おばさんになってしまった群氏の戸惑いや変化、諦観を自虐も交えながら語ったものも多い。
叱る対象は、電車の中で化粧する女性、浴衣の着付けがなってない女性、パジャマでコンビニに行く女性などなど。
共感するものもあったが、自分自身を反省するものもあった。「生足」でよそのお宅におじゃまするのは失礼だとか。サンダルの色素をスリッパにつけちゃあマズイとは思うけれど、私も生足でお宅訪問したことがあるかも。
ヘソ出しルックは私も気になる。見た目は別にいいんだけれど、女はおなかを冷やしてはいけない!30過ぎると冷え性がきつくなるので、若い娘がヘソ・ハラを出しているのを見ると本当に心配になる。(私は春夏秋冬朝昼晩ハラマキをしている)
歳をとると、若い子の言動に眉をしかめることはだんだん多くなっていく。「年寄り笑うな行く道じゃ。若者叱るな来た道じゃ。」とは言うけれど、叱られないとわからないことも多い。
「おバカ」「無知」「天然」「奔放」がもてはやされている面もある昨今。
でも知的でまともで品のある人々が隅においやられたり、不当にイジられることのない世の中であってほしいとは思う。