共依存・からめとる愛  信田さよ子

共依存・からめとる愛

著者は臨床心理士の信田さよ子氏。
まるで、昼メロみたいな題名だ。「からめとる愛」・・・
筆者はアディクション(嗜癖)の専門家。アディクションとは、害があるのに止められない悪い習慣(アルコール中毒とか)のこと。
他にも、アダルト・チルドレン、DV、虐待の問題にもかかわってきたという。
「共依存」とは難しい言葉だが、問題を起こす人を自分で抱え込むことで、さらに事態が悪化しているケース。
アル中の夫に困り果てながらも、後始末をし、暴れないようにお酒を用意し、苦労を一人で背負い込む妻とか、恋人のDVに遭いながらも耐える女性、ひきこもりの息子を抱え込む母などなど。
簡単に言ってしまえば、問題を抱え込む人は「この人は私がいないとダメなのよ」と思う自己満足を求めている人が、事態を悪化させているということ。
筆者は、それを「利他的であるという自己満足の底にひそむ途方もない利己的欲望」と厳しい言葉で表している。
夫婦なんかは長くやっていれば「この人は私がいないとダメ」と多少はお互いに思うだろうし、親子でも、他の人間関係においてもちょっとの「共依存」は必要だと思う。
だけれど、それが相手を密かに「支配」することに結びつけば、問題が生じる。
私は今までそんなドロ沼の人間関係に陥ったことがないけれど、これから年を重ねればわからない。どちらかというと人をコントロールしたがるタイプなので、気をつけねばと思う。
あと、この本では小説、テレビドラマ、映画など、さまざまな事例を臨床心理士としての視点で分析し、斬っていたのが面白かった。
私の好きな映画、
ジョゼと虎と魚たち
が誉められていたので嬉しい。
「冬のソナタ」についての著者の考えも面白い。「冬ソナ」観たことないけど、「なるほどーっ」って感じだった。