もうすぐ 橋本紡

もうすぐ

作者:橋本紡
この人の作品を読んだのは初めて。
小説なんだけど、小説らしくない小説だった。
主人公はネット新聞の記者。お産の際の医療事故をめぐる裁判を取材することをきっかけに、妊娠、出産にまつわる経験談を女性たちにインタビューする。
主人公の友達もまた、不倫の子を宿し、産院の予約を取っていなかった・・・
内容は盛りだくさん。初期流産、不妊治療、お産難民、子どもを持つことへの夫婦のズレ、感動的な出産の場面などなど。どれも女性の視点から描かれている。
上記の問題については私もかなり詳しいので、新しい発見は少なかった。(面白かったけど)
でも、繰り返されていたのが、30代後半になって子どもを欲しいと思っても手遅れになる場合が多いということ。一年一年、孕む可能性はガクンと下がっていく。
そして、30代後半になって慌てて不妊治療にかけこむ女性が多いということも強調されていた。
確かに、今の30代前半の女性っていったら、仕事にも脂がノッてくる頃だし、まだ容貌・体の衰えも自覚しないし、仕事や遊びに楽しい時期。でも、子宮年齢、卵巣年齢は昔と変わってはいないはずだ。
いろんな事情はあるだろうけれど、妊娠・出産はお早めに、ということを働く女性は知っておくべきだろう。  
私と同世代の藤原紀香さん(女優)が、ついこの間テレビのインタビューで「いつか私が母親になったときに・・・」などとおっしゃっていた。思わず「38だろ!ノンキなこと言ってる場合じゃない!」と言ってしまった。
女性が「子どもが欲しい!」と思う時期がだんだん遅くなっている昨今。厳しい現実を改めて認識させられた一冊でした。