世界の終わり、あるいは始まり  歌野晶午

世界の終わり、あるいは始まり

歌野晶午の小説を初めて読んだ。あー面白かった。
小学生ばかりを狙った連続誘拐殺人事件が始まり。犯人は少ない身代金を要求するが、子供は発見されたときはみな銃で撃たれて死んでいる。
会社員の富樫修は、小学校6年の息子の部屋で、事件にかかわるある物を目にしてしまう。
その後も息子の部屋を家捜しするたびに「息子が犯人では?」と思わせられる物証を見つけてしまう。
小説後半は、富樫修の苦悩が中心。想像の世界ばかりを何パターンも書いていて、「あれ?事実じゃなかったの?」と単純な私は何度も肩透かしを食らったけれど、文章には強くひきつけられた。
少年犯罪の親。今テレビドラマでも「アイシテル」でやっているらしいけれど、(夜遅いので見てません…)赤ちゃんだった、かわいかった子供が犯罪者になるというのは恐ろしい。
自分の人生も、他の兄弟の人生も、めちゃくちゃになる。しかも、どうして子供がそんなことをしたのかと、ずっと自分を責め、問い続けていかなければならない。
父親の苦悩とか、葛藤とかがリアルに描かれていて、小説の手法としては実験的?って感じなんだけど、読んで損した感はない。(最後はすっきりしないけれど)
小説って結論ではなくて、過程の面白さが大事なんだよなあーと思わせてくれた。