対話のレッスン 平田オリザ

対話のレッスン
劇作家で演出家の平田オリザ氏が、対話の必要性や英語公用語論、現代の話し言葉について、自分の考えを綴っている。
対話とは、他者との異なった価値観の摺り合わせ。その摺り合わせの過程で、自分の当初の価値観が変わっていくことを潔しとすること、変化に喜びを感じることが対話の基本的態度だとしている。
古代ギリシア人は民主制を維持するために新しい価値観を創造していくシステムの必要性を感じた。そこで対話の技術を高めるための方法として哲学と演劇を編み出したとしている。
筆者は演劇の可能性についても述べているけれど、もうすこし具体的に知りたかった。そういう著書もあるのかしら。
「対話」をするには、「自分」がなければならない。果たして私は大人として語れる価値観を持っているだろうか。相手を尊重して話をしているだろうか、と振りかえらせられた。価値観が多様化していて、子どもの世界でも大人の世界でも違うグループの人とは話もできないような現象は起こっているかもしれない。でも、気の会う人間だけで暮らしていけないのが現実。「対話」の技術を磨く必要はありそうだ。
筆者は中島義道氏の
〈対話〉のない社会
を多く引用している。これもよい本で、超オススメです。