一般ユーザーが参加し、主役として活動を始めたウェブの形態を「ウェブ2.0」とし、真の双方向メディアだと位置づけている。
この中で、私たちはどう生きるべきか。ウェブで検索できるのは機械情報。機械情報中心になることを避けて、場の中での「暗黙知」の体得を促し、「生命情報」中心の情報学的転回を図るべきだと訴えている。
私もこのような形でウェブ社会に参加している。グーグルのページランク・アルゴリズムが生み出し広げる格差のなかで、私のブログもサイト格差の中では超弱者。私も検索サイトに頼っているだけに、「人気ページだけが人気ページになれる」という現実は改めて実感する。
米国流のすさまじい拡張主義がウェブ2.0を主導しているけれど、拡張主義は普遍的な価値ではないことにも気づかされる。東洋的な視点を生かせないものか。
西欧人がクローン人間や人工知能を作ることに熱心な理由がこの本で少し分かり、目からウロコだった。
筆者は理系の学者でありながら小説も書く人。さすがに文章が分かりやすく、丁寧だ。養老孟司氏の『バカの壁』を暗に批判している。確かに養老氏の文章はつかみどころがないところがあるけれど、西垣氏の文章は、どうにかして読者にわかってもらおう、という姿勢が見える。
最後のまとめもよく、長い評論はこんな風に書いてほしいものだと思った。
ウェブ社会に警鐘を鳴らす本といっていいかもしれないけれど、多くの人に読んでもらいたい良書だと思う。
ヘルシーで美味しいんですって。