切羽へ  井上荒野

井上荒野の直木賞受賞作。
九州の島で、小学校の養護教諭をしているセイが主人公。夫の陽介は画家で、同じ島の出身である。夫婦仲はよい。
東京から音楽教師として石和という男がやってくる。
表面的には何も変わらない日常生活。でも、セイの心には石和によってさざなみが立つ。
他にも、同僚の月江の不倫、一人暮らしのおばあさんとの交流も大切なエピソードだ。
大人の人間関係を繊細に描いた長編だった。
石和という男がなんとも不安定でおもわせぶり。「音楽」の教師ってところも、芸術家っぽくて、キャラクターを作っている。大人になってから、こういう男性にあったことはないけれど、もし職場に居たりしたら、この人のウワサ話でずいぶんヒマがつぶせそうだ。
そう、ウワサ話をする私はいつだって恋の脇役…