体の贈り物 レベッカ・ブラウン

『おくりびと』がアカデミー賞受賞でバブルに沸いている。モックンの発案のもとになった『納棺夫日記』も売れに売れているようだ。私は十数年前にこの本を読んでいた。。ちょっと自慢。桂書房は富山の出版社で、そのとき住んでいた富山では、ちょっとしたブームになっていたのだ。蛆虫がキラキラと輝く・・・みたいなところは強烈に覚えているけど、後半はちょっと眠たい本だった気がする。今は文庫化されているようで。
納棺夫も、『おくりびと』の中では尊い仕事として描かれているようだけれど、今日お勧めの『体の贈り物』は、介護職も尊い仕事だと思わせてくれる。
主人公はホームケア・ワーカーとして重い病(エイズ)に侵された人々の世話をしている。
食べること、飲むこと、話すこと…ちょっとした日常も、病は人々から奪い取っていく。
その現実の中で主人公は忍耐強く、余計なことをせず、患者に寄り添っている。
こういうありかたが一番の思いやりなのかなと思う。
主人公自身の悲しみも、驚きも、戸惑いも、誇張されていないのがいい。
訳者があとがきで述べているが、シンプルな、中学英語の範囲に収まる単語と文章で作品世界が作られているらしい。訳の日本語もシンプルでよみにくいところがない。
介護職は大変なわりに報酬が少なく、日本でも人手が足りていないという。これからは増えるだろう。今日の新聞でも、介護の仕事に転職しようとする人のレポートがあった。外国人の介護者も受け入れているし。
また、介護施設での虐待のニュースを聞くと、本当に悲しくなる。
介護は尊い仕事だ。えらそうなことを言えないけれど、どんな人も尊重してやっていただきたい。
自分が親を介護するときが来て、つらくなったら、この本を読もう。