星々の舟 村山由佳

村山由佳の直木賞受賞作。村山氏の恋愛小説は、マンガチックであんまり好きではなかった。
この人ってモテる人生送ってきたんだろうなーと、あまり共感できなくて。
この小説は、恋愛小説ではない。初めは腹違いの兄弟の禁断の愛!の話だと思っていたが、読みすすめると主人公が変わっていく連作小説だ。
水島家の人々のそれぞれのかかえる問題を、家族とのかかわりを通して描いている。
禁断の愛、不倫、戦争体験…重たいエピソードばかり。しかもどの問題にも答えはない。これからどうなっていくんだろう、とちょっと不安になる。
読み終わってみると、まあいっか、という気持ちになった。人間の抱える問題にそう簡単に答えはでないし、それに、どんなに辛いことがあってもどうせ「死ぬ」のだ。
いつかはあの世に運ばれるんだから、心配しないで、といわれたような。
「家族」は難しい。恋愛にしろ仕事にしろ勉強にしろ、「家族」は切り離せない存在だ。有名な「アンナ・カレーニナ」の冒頭の文にもあるように、問題はさまざま。そして他からはその問題が見えてこない。
家族がかかわりあうことで生まれる問題をもっと掘り下げて描いて欲しかったけど、でも読み応えのある力作だった。