チエちゃんと私

昨日は吉本隆明を紹介したので、今日は娘のばななの本。
親戚のコネでイタリア雑貨の店に勤める42歳のカオリは、35歳のいとこのチエちゃんと一緒に暮らすことになる。
複雑な育ち方をしたチエちゃんは掃除と味噌汁作りだけをして、あとはずっと家にいるだけだけれど、カオリにとってかけがえのない存在になる。
相変わらず「へたうま」な感じの吉本ばななの文章だけれど、はっとする一文にいくつか出会えた。人間の相性の真実が描かれている感じ。
中年にさしかかろうとするカオリは、自分の感覚だけで人とかかわろうとする、そこが素敵だった。
オバサンになってくると、先入観だけで人を見たり、なるべく他人から影響を受けたくなくなったりする。お金とか仕事とか性とかがいろいろ絡んで、大人になってから友人を作るのは本当に難しい。
それでも相性のいい人にはまだ出会えるのかも。
ちょっと元気になれた。