閃光
作者はノンフィクションライターでもある永瀬隼介。
玉川上水で男性の扼殺体が発見される。捜査陣に名乗りを上げた、あと少しで定年の滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。
滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中が再会していた。
昭和最大のミステリーと言われる三億円事件にある仮説を呈した興味深い作品だった。
かなりの長編で、読むのにちょっと疲れた。私としたことが三日もかかってしまった。
でも、読み進むうちに面白くなってきて、だんだんスピードアップ。警察という組織の闇、階級社会の厳しさもリアルに描かれていたし、三億円事件の犯人像もこんなんかも、と思ってしまうストーリーの面白さがあった。
ニュースで事件を知っても、そこから深ーく洞察する人と、表層しかなぞらない人がいる。
私は後者。あまり背景を洞察したりはしない。
作家になる人っていうのは、(特にミステリなんかの場合)その背景とか人間関係とか、ウラのウラまで考える人なんだろうなと思う。
この小説も人間のウラのウラまで考えることで出来ている。
読み応えのある一冊です。長編ミステリを好む方には是非お勧めします。