久々に「純文学長編」を読んだ。がんばった…
仙台と横浜で別々の女性と暮らす予備校講師の日常。彼女たちにバレないよう、汚れ物を捏造したり、大変そう。しかしそんな生活は徐々に破綻に向かっていて…
ずいぶんじめっとした小説。冬の冷気、二日酔いの口臭、出始めの加齢臭が漂ってくる感じ。
大昔見た映画「月の輝く夜に」で、「男はなぜ浮気するの?」という女の問いに対し、男が「死ぬのが怖いから」と答えていた。よくわかんないなあと思っていた。
この主人公ならば「人生が虚しいからさ」とでも言いそう。
虚無に満ちた小説。インテリぶって優柔不断で不遜で実は小心な男にムカムカ。でもそれが作者の狙いならしょうがない。
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