昨日に引き続き、姜尚中。
「ナントカ入門」という類の本で、その分野が分かった!というためしがない。
私の理解力がないことが一番問題なんだろうけど、どうも「知識」が頭の中を通り抜けていってしまう。
この本では、アメリカ・暴力・主権・憲法・戦後民主主義・歴史認識・東北アジア、という七つのキーワードについて解説することで、政治学のこれまでとこれからを述べている。
アーレントが、ホッブズが、ルソーが・・・というところは正直、頭の中を通り抜けていったが、日本の社会や政治の問題点に対する筆者の指摘には「おお」と思うところが多かった。
知識だけを覚えようとして本を読んでも心に残らないけど、筆者自身の見解が濃ければ心にひっかかってくる。
特に「あとがき」がすばらしかった。「あとがき」から読めばよかった!ほど。
どこかの大学の入試問題になりそうな文章だ。
政治家の人間のうすっぺらさがメディアを通してどうしても伝わってきて、もっとましな人はいないものかと考えるけど、やはり、歴史、政治学、これについては「議員センター試験」を設けて通った人だけが立候補できるようにしたほうがいいんじゃないか、と思わせられた。