大人の友情

この本に書かれていた、ユング派の学者の祖父の「友情」の定義を紹介する。
「夜中の12時に、自動車のトランクに死体を入れて持ってきて、どうしようかと言ったとき、黙って話しに乗ってくれる人」だそうだ。
そんな状況は避けたいけれど、自分があてにできそうな友人、そして自分が黙って話に乗ってあげられそうな友人を思い浮かべてみた。まあ、4,5人ってとこかな。
夫に聞いてみたら、彼は仮定の話が好きではないので「ありえない」という感じだった。
色気の少ない青春時代だったためか、本気で「宝物は友達!」と思っていた。遊んだり、おしゃべりしたりが何よりも楽しくて、学校も大好きだった。今はみなそれぞれ家庭を持って、子育てが大変な時期の子もいて、昔みたいには会えないけれど、それでも会えば同じことで笑えて、悲しいときには一緒に泣いてくれる。みんなで長生きしたい。
『大人の友情』では、一般的な友達だけではなく、夫婦間、男女間、師弟、家族…さまざまな人間関係を貫く友情について、具体的なエピソードを交えて語られている。師弟や男女なんかは一般的に友情は成立しそうにないけれど、それでも関係をつなぐひとつの要素として友情を
語っていて興味深い。
家族内で将棋、トランプなどのゲームをすることの大切さについて書かれているところは「なるほどー」と膝を打ちたい気持ちになった。
大人になったら、友達はいつもそばに居てくれるとは限らないけど、「友情」がなかったら人生はつまらないと改めて思った。