【送料無料】口紅のとき
作者:角田光代
一人の少女が老婆になるまで、「口紅」を題材にして描いた短編集。
資生堂とのコラボ?みたいな感じらしく、長ーーーい広告コピーみたい。
どの小説も、話はありきたりといえばありきたりなんだけれど、場面が
鮮やかに頭に浮かんできて、その年齢の女性の気持ちに引き戻される、あるいは
想像できる。
作者があとがきにも書いているけれど、女性の化粧品のなかで、やっぱり華
があるのは口紅だと思う。
ファンデを塗って、口紅をつければ化粧は完成。
最初に「色つきリップ」から挑戦するしね。
どんな女性でも、口紅にまつわる物語の一つや二つはあると思う。
私の頭にぱっと浮かんだのは、会社の旅行で海外に行くという父に頼んだ
口紅。雑誌の切抜きを見せ、「こんな色のを買ってきて!」と。
大学生だった私に、普段はドケチの父が買ってきたのは、シャネルの青みがかったピンク色。
バブル時代の色…当時は流行っていたので、気に入ってよくつけていた。
シャネルの青みがかったピンク色の口紅は、今の私は絶対つけない
けれど、なんか、青春の色だったなーと思う。
と、そんなことを思い出してしまいました。
この小説は、そうね、1時間半もあれば読めます。