劇場22刷改版
イギリスの作家、サマセット・モームが63歳の時に著した小説。
1937年の作品だけれど、ちっとも古く感じなかった。面白かった!
主人公は舞台女優のジュリア46歳。夫のマイケルは男前の俳優兼劇場経営者。ロジャーという一人息子をイートン校に通わせている。
彼女は女優として成功していて、夫とも円満、彼女を20年崇拝するプラトニックな男友達もいるが、たまたま劇場の経理を担当した23歳のトムに誘惑され、恋に落ち、彼に夢中になる。
二人の蜜月はそれでも長くは続かない。トムの心が新人女優に傾いたとき、ジュリアはどうしたか・・・
「女優」「女」というものの業が見事に描かれていた。
ストーリーも最高に面白いけれど、ジュリアがいつの場面でも「女優」であるところが怖い。
恋に落ち、自分を見失っても、その恋が冷めたときにも自分の心を冷静に見つめる。
ジュリアのファンになってしまった。
女心の機微を描くモームの力にも感服。
ジュリアから見ると愚鈍でつまらない息子のロジャーが、実は虚飾に満ちた両親の本質を鋭く見ていた、という最後もよい。
女優というのは天賦の才能なんだと思う。例えば大竹しのぶ。カメラが右から来たらそっちの眼から涙を流せるらしい。
他にも、女優さんが演技以外で喜怒哀楽を示しているのを見ると「演技かな?そのぐらいお手のものだろうな」と思ってしまう。
この間結婚された川島なお美さん。キレイでしたねー。でも感涙の場面では「ほんとに涙流れている?」とじっと画面に見入ってしまった。意地悪な私・・・
本の話に戻れば、これは超おススメです。ハラハラして、スカッとします。恋人は裏切るけれど、仕事は裏切らない!