レ・ミゼラブル(1)
レ・ミゼラブル(2)
レ・ミゼラブル(3)
レ・ミゼラブル(4)
レ・ミゼラブル(5)
作者:ヴィクトル・ユゴー 辻昶 訳
あらすじはよく知られている『レ・ミゼラブル』。子供向けの本とか、数年前のお正月に教育テレビで放送したもので知っていたけれど、完訳を読んだのは初めて。
いつかは全部読みたいと思っていた。今はかなりヒマなので、読むことができてよかった。
潮ライブラリーから今年出版された完訳。
もちろん、かなり長い。しかしあり得ないほどドラマチックな内容。
一人の元徒刑囚、ジャン・バルジャンの波乱の人生を描いている。一個のパンを盗んで19年の間刑務所に入り、やっと出てきたジャン・バルジャンは、教会に一泊し、そこで銀の食器を盗む。
すぐにとっ捕まえられて教会に警察とともに戻ってくるジャン。そこで教会の司祭は「あなたには食器だけではなく、この燭台も差し上げようと思っていたのに…」と燭台を渡される。
そこで彼の人生は変わる…とここまでは誰でも知ってますよね。
心を入れ替えて市長になるんだけれども、彼の過去を知る刑事ジャベールがどこまでもどこまでもジャンを追ってくる。(まるで堀ちえみの大映ドラマに出ていたしつこい刑事みたいだ)
あるいきさつで引き取ることになった少女コゼット。コゼットに恋するマリウスという青年。
悪の権化のような男、ティナルディエ。
登場人物の運命がいったいどうなっていくのか、ハラハラドキドキの展開。
途中でさしはさまれる歴史の描写とか、作者の思索の章とかはかなり退屈で、正直斜め読みしてしまったけれど…
ジャン・バルジャンは悪人でも善人でもない。しかし司祭に助けてもらったあと、彼は自分の基準で自分の行動を決め、生き抜いた。人は、変われる。ただし、人との真剣なかかわりによってに限り。
昨日紹介した『死刑でいいです』の犯人も、善き人との出会いがあれば人生は変わっていたのかしら…
題名の「レ・ミゼラブル」というのは「恵まれない人々」という意味。なのできっと悲しい結末だろうと悲観していたが、読んだ後は救われた気持ちになった。
宗教的なもの、自分の信念、人への愛情、これが人の心をどれだけ支え、強くすることか…三浦綾子の『氷点』を読んだ後のあとのような、とても真面目な気持ちになった。
一生のうちに一度は読んでおきたい名作です。ヒマな人は是非。