このあいだNHKでやっていた「双子の不思議」で、短距離走の能力は先天的に決まっているけれど、長距離走は努力で能力を上げやすいと言っていた。そう。努力すれば運動神経のない人でもできる!だから、マラソンには憧れがある。外で走っている人を見かけると、老若男女問わずときめいてしまう。孤独な努力に敬意。
実はずーーっと前に、半年近くひとりで走っていたことがあるけれど、紫外線が怖くてやめてしまった。40歳から始める人もいるし、また機会があったらやって…みる…かも…
マラソンは小説の題材として面白いと思う。この小説「ラン」も、死んだ家族に会うために40キロを走りぬく力をつけようと主人公が奮闘する話だが、「だんだん力がついていく」過程を読むのはなんだかこちらも前向きになって楽しい。
もちろん、走る力をつけるとともに、主人公自身が、現実に生きる力もだんだん身につけていくのだけれど。
森絵都は『風に舞い上げるビニールシート』で直木賞をとった。『風に…』は大人向けのとてもいい小説だったので、今回も期待したけど、ちょっとジュニア向けに戻った感じ。霊界まで走るっていう設定がファンタジーで、そこについていけない人にはダメかもしれない。
でも、登場人物が個性的で楽しいし、主人公の内面の変化、これはファンタジックではない。急には人は変われない、という現実をちゃんと描いていてよかった。
マラソンといえば、村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』という本もすごくいい。ハルキストにはたまらない一冊だし、これを読むと走りたくなります。
もっと、運動神経のない小説家の、マラソン挑戦エッセイとか読みたいなあ。
誰か書かないかなあ。村上龍とか。(氏は運動神経は悪くないはずですが)