ママンの味、マミーのおやつ 大森由紀子

ママンの味、マミーのおやつ

著者は大森由紀子氏。大学で仏語を学び、27歳で渡仏し「ル・コルドン・ブルー」で学び、今はフランスの伝統菓子や料理の普及に力を注いでいるという人だ。
フランスでの修業の日々、フランスで出会ったお菓子、フランスの伝統菓子にまつわる話など興味深い内容のエッセイ集。
お菓子といえば(料理全般そうかもしれないけれど)フランス。一度パリに行ったとき、食べたものはみんな美味しかった。お菓子はモンブラン。この本にも紹介されていたけれど、「アンジェリーナ」のモンブランは巨大だったけどとーーーっても美味しかった。
他にも美味しいものいっぱい。詳しくはこのブログの隅っこ「パリの思い出」をクリックしてください。
この本を見て、ああ、もっといっぱいお菓子を食べたかった、と思った。チョコレート、マカロン、クレープ・・・
フランスではドーナツやチーズケーキをほとんど食べないという記述もあった。なるほど。
この人は食べるだけではなく、作る人でもあるから、その視点でのお菓子の紹介も面白い。伝統菓子の由来のエピソードも丁寧に書かれている。
お菓子は作るのも確かに楽しい。私の姉が家政系の学校に行っていた関係で、毎月お菓子作りの本と道具のセットが届き、普通の家にはないような道具がたくさんあった。
高校のとき、勉強もせずヒマつぶしに毎日のようにお菓子を作っていたことがあった。ブラマンジェ、アンドーナツ、シュークリーム、サブレなどなど。
体重はどんどん増えて人生最高を記録。制服のプリーツスカートのひだが開いてしまった。
お菓子の本も、読むだけでも相当楽しかった。お菓子を見て異国を思い浮かべ、田舎のスーパーでは手に入らない食材に憧れたあの頃の気持ちをちょっと思い出す。
今は、太るし、「買ったほうが美味しい」とわかっているので、バレンタインぐらいしかお菓子は作らない。しかし、お菓子が焼きあがる瞬間のワクワク感と香りというのは、まあ小さいけれど確かな幸せ=小確幸(by村上春樹)ではある。
さてこの本、フランス文化、お菓子を愛する人にはとてもオススメです。