題名:エビと日本人(2)
筆者:村井吉敬
家族にエビアレルギーがいるので、エビは好きだけどあまり食卓に出さない。
この冬に、地物のエビを漁港の近くで焼いて食べたのはとても美味だった。
しかし、スーパーで日本産のエビを見かけることはまずない。「ベトナム」「インド」「インドネシア」「ミャンマー」などなどだ。
この本を読むと、ちょっと食べる気が失せる。
筆者は世界中、日本中のエビの現場を追い、エビをめぐる現状や問題点を指摘している。
結論としては、日本人はエビを食べすぎだって!ということ。しかし、世界中でエビをもっとも消費するのは日本人ではないけれど。
エビを食べ過ぎない方がいい理由は・・・
1 養殖エビはマングローブ林を破壊して成り立っているから、環境上資源上よろしくない。
2 エビに使われている抗生物質は多く、安全な食べ物かどうか怪しい。
3 極端といえるほどの輸入依存である。
食糧自給率が50%を割り込む日本は、もっと身近な食糧生産を心がけるべきだという意見だ。
今日のスーパーのチラシに「エビフライ(ベトナム産)」という冷凍食品が載っていた。あとは揚げるだけ。
その裏では、恐ろしく安い賃金でベトナムの人がエビの殻をむき、背わたをとり、衣をつけてくれている。
豊かな食生活を享受していることを、ちょっと反省させられる一冊だった。
経済系、食物栄養系の大学の小論文対策にいいかも。